TCFD対応
TCFD とは
TCFDは2015年に、金融安定理事会とイングランド銀行のカーニー総裁(当時)の要請を受けて設立され、弊社の創設者であるマイケル・ブルームバーグが議長となって発足しました。同氏は、長年、金融システム内外における気候問題への対処を訴えてきました。また、弊社のメアリ・シャピロ(ブルームバーグ LP グローバル公共政策副会長、創業者・会長付特別顧問兼 TCFD 特別アドバイザー)はTCFDの特別顧問を務めております。
TCFDの前提は、投資家、金融機関、保険会社に対して、企業の気候リスクに関するよりよい情報を提供し、賢明な投資、融資、引き受けの意思決定に役立ててもらうことです。弊社では、企業が開示するTCFD関連データや国際機関が公表している環境リスクマップなどの地理空間データを提供し、TCFDに関するリスクや機会を特定するためのツールを取り揃えております。
TCFD関連エクセルテンプレート
TCFDディスクロージャー・トラッカーと呼ばれるツールでは、TCFD関連のデータ項目をガバナンスやストラテジーなど4つの分野にわけ、更に11の推奨開示項目に対して弊社のデータ項目をマッピングしました。
各分野に関連するデータ項目の開示状況を企業ごとに集計し開示の度合いをチャートで可視化することで、TCFDにおける企業の開示状況を簡単に把握することが可能です。
TCFD 関連リサーチ(BNEF)
ブルームバーグNEFのエネルギー長期見通しや電気自動車見通しなどのシナリオ分析を通じて将来の市場規模や需要を分析し、TCFDをはじめとしたさまざまなフレームワークや規制の今後の観点から、市場構造の転換による移行機会と移行リスクの把握が可能となります。また、ブルームバーグNEFにはG20をはじめ国ごとの開示規制に関する分析も行っております。
BQuantを活用したTCFD 分析
BQuantはパイソンとブルームバーグのデータを柔軟に使用し、ユーザーニーズに最もあった分析アプリケーションを開発することが可能なプラットフォームです。ブルームバーグが提供するビジュアルツールを利用して数行のコードで分析ツールのアプリ化を実現します。アプリ化されたツールは社内共有も可能です(ブルームバーグエニウェアユーザー間に限る)。
アプリ例では選択する銘柄と競合銘柄のTCFDのガバナンス、ストラテジー、リスク、メトリックススコアなどの開示率を色分けし、比べることができます。BQuantを使用することにより、既存機能ではできないような柔軟な分析が可能になります。
シナリオ分析機能
TCFDの枠組みを反映した地理空間データを用いたマップ機能により、気候変動関連データと企業のアセットデータを重ね合わせて表示することが可能となり、気候変動が企業の財務活動に与える影響を可視化できます。
例として、2040年における2度シナリオ及び4度シナリオ下での、火力発電や水力発電の生産能力の低下率を色分けし、マップ上に表示します。このデータに加えて、企業の工場や発電所の位置情報を同じ地図上に表示することで、生産能力の将来予測及び当該企業の財務活動への影響を分析できます。
端末外でデータをご利用される場合は別途データライセンスの契約が必要となります。データライセンス契約では社内共有、システムフィード、バッチ処理等のご利用可能となります。ブルームバーグデータライセンスでは自社のモデル・アプリ・システムを使用し気候変動分析を行うお客様に対し必要な生データを提供しております。詳細は、こちらのページをご覧ください。
SFDR対応
サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)は、2050年までにカーボンニュートラル達成を目指すEUサステナブルファイナンス行動計画に組み込まれおり、市場参加者が長期にわたり持続的に成長資金を調達できるようにすることを目的としています。企業は、持続可能なポートフォリオに含まれるすべての企業の有害指標を報告し、企業レベルおよび商品レベルでの持続可能性に関する方針やデューデリジェンスプロセスに関連する情報を開示しなければなりません。
主要な悪影響(Principal Adverse Impacts: PAI)
ブルームバーグのESGとカーボンのデータでSFDR PAIの測定と報告が可能になります
ブルームバーグでは、SFDRのPAIデータセットを世界100カ国の1万1700社以上に関するブルームバーグのESGデータにマッピングしています。このデータは、貴社独自の報告システムやリスク管理システム、またはブルームバーグの分析ツールにおいて使用することが可能で、貴社ポートフォリオの報告や投資ガイドラインにおけるモニタリングをサポートします。
温室効果ガス排出量推定
SFDR評価の重要な部分は、投資ポートフォリオのカーボンフットプリントを理解することです。ブルームバーグは、報告されていない企業のCO2排出量を推定することにより、報告された炭素排出量データとのギャップを埋め、50000を超える国際企業をカバーしています。
BQuantを使ったSFDR分析
BQuantはパイソンとブルームバーグのデータを柔軟に使用し、ユーザーニーズに最もあった分析アプリケーションを開発することが可能です。ブルームバーグが提供するビジュアルツールを利用して数行のコードで分析ツールのアプリ化を実現します。アプリ化されたツールは社内共有も可能です(ブルームバーグエニウェアユーザー間に限る)。
アプリ例では選択したユニバースのSFDRの必須開示項目の開示率をカテゴリー別に集計し、ユニバース間で開示率を比べることができます。トピック全体の開示が低いと思われる場合に投資の潜在的なリスクの特定が瞬時に可能です。
SBT対応
SBT認証項目
ブルームバーグは、Science Based Targetsイニシアチブと提携し、分析に使用する気温上昇スコアの計算手順を作成し、投資ポートフォリオの目標を設定し、パリ協定との整合性度を測定するメンバーの一員です。現在ブルームバーグでは気温上昇スコアを開発中ですが、代わりに手順で必要な生データをブルームバーグのデータへマッピングしたテーブルをご用意しております。
SBTエクセルテンプレート
EU タクソノミー
2022年1月以降、金融市場参加者は、環境に配慮した経済活動を分類するフレームワークである「EUタクソノミー」に、金融商品がどのように、どの程度まで合致しているかを報告することが求められます。 端末を使用して、5つのステップでタクソノミーを適用することができます。
金融市場参加者は、自社の金融商品と投資がどのように、またどの程度EUタクソノミー(環境的に持続可能な経済活動の分類を標準化する枠組み)に適合しているか報告する義務があります。
ブルームバーグのデータソリューションは、タクソノミーに適合する4段階のデューデリジェンスプロセスを自動化しています。
1. 対象となる投資を特定する
端末のウォッチリスト・アナリティクス機能を使用して、投資ポートフォリオに占めるタクソノミーの対象となる活動の割合を把握し、特定の企業のスコアを素早く照会します。
2. 緩和と適応への実質的な貢献度の判断
企業活動が、”Taxonomy Delegated Acts”の中で、実質的な貢献度のテスト基準を満たしているかどうかを確認します。端末には、タクソノミのアライメントを分類する3つの方法、報告されたもの、潜在的なもの、資産レベルのもの、すべてをサポートする機能があります。
3. Do No Significant Harm -DNSH テストに合格すること
ポートフォリオレベルの評価では、資産管理者は DNSH に対してリスクベースのアプローチを取るこ とが推奨される。端末では、タクソノミーに記載されている主要な環境目的に沿って、特定のセクター内の企業について、重要な、環境的、社会的問題や分野を特定し、年度ごとの開示内容を比較、同業他社との比較分析を行うことができます。ブルームバーグは、環境目的毎に企業別のDNSHスコアを規制に基づいて発表する予定です。
4. 最低限の社会的セーフガードの確認
主要な社会政策や労働者の権利の遵守を含む社会・ガバナンスのKPIは、端末の「財務分析」からアクセスできます。投資会社はこのデータを利用して、OECDガイドラインに準拠した投資プロセスを行うことができます。ブルームバーグは、必須またはオプションの要件に基づいて、企業ごとに社会的セーフガードの最低スコアを発表する予定です。
5. アライメントの計算
上記4つのステップが完了すると、企業内の閾値やリスク許容度をデータに適用できるようになります。企業レベル、資産レベルの包括的なESGデータへのアクセスにより、お客様のタクソノミー報告プロセスをサポートしてまいります。
関連資料(英語)はこちらから
EU Taxonomy fact sheet