2021.03.05

初のアセットマネジメント会社様のみで開催のハッカソンイベント

3月5日、ブルームバーグでは、「ESG投資に、クオンツを」をテーマにBQuantハッカソンを開催しました。BQuant Hackathonとは、各社でチームを結成し、ブルームバーグのPython開発ツールであるBQuantを使って分析機能を開発、発表していただくものです。初のアセットマネジメント会社様のみイベントとなった本ハッカソンシリーズは、2019年の初開催から4回目を数えます。昨年はAPACワイドで開催したほか、国内だけでもこれまでに19社32チームからご参加をいただいております。

今回のハッカソンには、以下4チームのアプリがエントリーし、最も参加者の票を集めたチームに贈られるMost Popular APP賞は、日興アセットマネジメントチーム「Carbon Pricing Impact on Portfolio App」が獲得しました。おめでとうございます。

  • 野村アセットマネジメントチーム「ESG Dashboard (JP Equity) 」
  • 三井住友DSアセットマネジメントチーム 「日米欧の社債ファクター分析支援ツール」
  • 日興アセットマネジメントチーム 「Carbon Pricing Impact on Portfolio App」
  • 三井住友トラスト・アセットマネジメントチーム「カーボンリスク観測ツール : シルク」
ESGデータの解析スキルと処理スピード向上

世界のESG(環境、社会、ガバナンス)資産は増加基調が続いており、ブルームバーグ・インテリジェンスでは、2025年の世界総運用資産残高を140.5兆ドルと予想したうえで、その3分の1以上となる50兆ドル規模をESG資産が占めると見ています。

ESG要素をポートフォリオに反映させることは、いまやアセットマネジメント業界で最大のテーマの1つであり、同時に信頼できる標準化されたESGデータへのアクセスおよびデータ解析スキルと処理スピードの向上が喫緊の課題となっています。金融から世界のESGに関する意識を変えていこうとする業界の大きな潮流のなか、今回の試みは、ESG分析に関してプログラミング言語であるPythonを用いてどのようなことができるかを、業界として試し、語り、高め合うことを目指すものです。

ご参加の4社の皆さまには、BQuantやPythonが初めてあるいは不慣れな方も多いなかで、約2ヶ月間、通常の業務とは別にアプリケーション開発に取り組んでいただきました。発表されたアプリでは4社中2社がGHG(温室効果ガス)の排出量削減に向け国内でも議論が活発化するカーボンプライシング(温暖化ガスの排出量に価格を付ける仕組み)に取り組んだほか、一つ一つが非常に個性的で「Pythonでここまでできるのか」「早速社内で共有したい」「すごい」「次は絶対に参加したい」「もっとPythonを学びたい」との感想が寄せられました。

最先端のESG
インテグレーション

特別ゲスト:

  • 株式会社日本政策投資銀行 執行役員 産業調査本部 副本部長兼経営企画部 サステナビリティ経営室長 竹ケ原 啓介氏
  • 株式会社日本取引所グループ 総合企画部 企画統括役 松尾 琢己氏

特別ゲストとして上記竹ケ原様および松尾様のお二方をお招きし、ESGの観点からコメントを寄せていただきました。ハッカソン全体について竹ケ原氏は、「BQuantを用いたESG分析というチャレンジングなテーマに取り組まれた皆さまに敬意を表します。定性情報も少なくないESG情報をクオンツがどう扱うのか、大変興味深く拝見しました。いずれも短期間で発展可能性の高いツールを開発されており、ESGインテグレーションの最先端の好例だったと思います」と述べています。

各社アプリ概要(発表順)およびお二方から寄せられたコメントは以下をご覧ください。