【日本インサイト】緊急事態延長、景気後退招く恐れも五輪開催に必須

Read the English version published on May 28, 2021.

本稿はブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト増島雄樹が執筆し、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されたものです。

東京や大阪など9都道府県に発令している新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が再延長で、日本は再び景気後退入りする恐れがあります。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)の試算によると、宣言再延長で4-6月の個人消費は1兆1000億円押し下げられ、国内総生産(GDP)は1-3月期の前期比年率5.1%減に続くマイナス成長となる見通しです。最近の感染急拡大による死者数の増加に歯止めをかけることが主な動機ですが、新型コロナの封じ込めは東京五輪の開催にも必要不可欠です。

  • 5月末までの期限となっている東京などへの緊急事態宣言は6月20日まで再延長される方向
  • 6月20日まで再延長された場合、BEは4-6月GDPが前期比年率0.2%減少すると予想
  • 輸出の好調が引き続き経済を下支えするだろう。ただ、感染第4波に伴い、日本のワクチン接種率の低さが内需を抑制する要因となっている。27日時点で人口100人当たりの接種回数は8.4回にとどまっている
  • より大局的に見ると、宣言再延長によって現時点では景気下押しが強まる可能性があるが、経済は通年ではそれほど大きく落ち込むことはないだろう
  • 特に超過貯蓄の活用が見込まれるなど、累積需要が年内の消費回復につながる可能性がある。6月までに感染拡大に歯止めがかかり、東京五輪が開催されると想定した場合、4-6月期の落ち込みが大きければ大きいほど、7-9月期の回復も大きくなる可能性が高い

(出所)ブルームバーグ・エコノミクス、ジョンズ・ホプキンズ⼤学

(出所)ブルームバーグ・エコノミクス