ワクチンと変異株との戦いの鍵は、どのワクチンをいつどう接種するか

Read the English version published on April 23, 2021.

この記事はブルームバーグマーケットスペシャリストのMarie-Pauline Beugin とEddie Cheungが執筆し、ブルームバーグ ターミナルに掲載されたものです。

背景

チリから日本に至るまで、どの新型コロナウイルスワクチンをどれくらい早期に接種し、そして同時にどのような公共の医療対策を講じるかによって、結果に違いが現れています。

英国と米国では、アストラゼネカ製とジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチンは遅れをとっていまが、ファイザー・ビオンテック製とモデルナ製のワクチンによって新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が抑えられています。その他のワクチンは新たな変異株に対してそれほど有効でないことが判明しました。医療制度の非効率性も明らかになっています。

「ウイルスがハイレベルで増殖すると変異株が発生するため、完全にワクチン接種した人口が増えれば変異株発生確率の大幅な減少につながります。ワクチンが買えない国々にワクチンを一刻も早く届ける必要があります」とブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のシニアアナリスト(医薬品担当)、Sam Fazeliは述べています。

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課題

Fazeliによれば、英国ではワクチン接種を普及させる間、都市封鎖を行ったことが新型コロナウイルスの感染抑制に役立ちました。チリでは人々の移動制限がもっと緩く、また、シノバック製のワクチンはファイザー・ビオンテック製ワクチンほど変異株に有効でなかった可能性があります。

社交活動の制限と変異株のホットスポットとなったブラジルへの旅行制限を最小限にした結果、チリでは新規感染者数が増加しています。チリのワクチン接種開始は英国より1カ月遅く、使用ワクチンはシノバック製でした。入院患者の平均年齢は下がっており、Fazeliはおそらく高齢者の間でワクチン接種が普及しているためだろうとみています。

インドのワクチン接種回数は1億400万回で、米国の1億8700万回と中国の1億6400万回を下回るものの、ブラジルの2900万回とドイツの1800万回、日本の160万回を上回っています。インドの死亡率は、アストラゼネカ製のワクチンプログラムが進む中で、3.6%から1.3%に低下しました。ドイツの死亡率は2.6%と、ブラジルとほぼ同じ水準ですが、ブラジルで死亡率が上昇しているのに対し、ドイツでは減少傾向にあります。米国の死亡率は1.8%で安定しており、ワクチン接種の普及に遅れが生じている日本の死亡率が今では1.9%と米国を上回っています。

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本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

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