新型コロナ「第2波」、なぜ既に懸念材料か-QuickTake

Read the English version published on April 24, 2020.

本稿はJohn Lauermanが執筆し、ブルームバーグターミナルに最初に掲載されました。

世界各国・地域の当局者は、経済活動に打撃を与える移動制限をいつ解除するか検討している。そうした中、誰の頭にも浮かぶ不安は新型コロナウイルス感染の「第2波」だ。

1.第2波とは何か

パンデミック(世界的大流行)は多くの人が免疫を持たない新たな病原体によって引き起こされる。感染症がパンデミックに至るのはまれだが、それが最も頻繁に起きる1つにインフルエンザがある。新型インフルエンザが世界に広がり、その後、いったん収束することはよくある。その数カ月後、世界中もしくは世界の広い範囲で再び流行する。

2.何が第1波を収束させるのか

インフルエンザのパンデミックは季節の変化で一時的に収束し得る。また、人口の大部分が感染してウイルスへの抗体を持つようになる「集団免疫」で感染拡大を抑制できることもある。新型コロナウイルスの場合、ウイルスが簡単に広がることができないよう、世界中で多くの国・地域が移動制限を前代未聞の規模で実施し、他人と一定の距離を保つソーシャルディスタンシングも導入している。

3.ウイルスはどう戻ってくるのか

複数の可能性がある。インフルエンザの場合、寒冷な季節の始まりが要因となるが、新型コロナにも気候が影響するかもしれない。もしくはウイルスが変異する可能性もある。これもインフルエンザには特徴的だ。1918年の秋、歴史的なインフルエンザ流行の第2波が起こり、大量の死者が出た。一部の研究者は、この第2波がウイルスの変異によってもたらされたとみている。世界保健機関(WHO)は24日、新型コロナに一度感染して抗体を保有しても、第2波の感染を防げる証拠はまだないとの見解を示した。

4.なぜSARSの第2波はなかったのか

2002年から翌年にかけてアジアで流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)はパンデミックにまでは至らなかった。SARSを引き起こしたのもコロナウイルスだが、新型コロナほど感染は拡大しなかった。人類にとって比較的新しい病原体にはエボラウイルスもある。エボラ出血熱の流行はアフリカで断続的に発生しており、一部の環境下でウイルスの伝染力は非常に強いが、新型コロナほど世界中に感染は広がっていない。

5.新型コロナ第2波の見通しは

第2波がリスクであることは中国の例から見て取れる。新型コロナの感染拡大によって閉鎖された後、状況の改善を受けて再開された同国の一部地域では、3月に新規感染が確認されて再び制限が課された。世界の大半はまだ第1波を収束させることに苦労している。ウイルスを封じ込めた多くの地域は移動制限によって感染のスピードを弱めたが、多くの人は再び外出し始めれば感染の危険にさらされることなり、第2波が到来する可能性は高まる。

6.どうすれば防げるか

WHOは移動制限の解除について、段階的に状況を見ながら進めることを推奨している。専門家は、厳しいロックダウンなしに感染を低く抑えておくには、検査体制の拡充と接触者の追跡が鍵になると指摘する。衛生当局者らが感染者を見つけて隔離し、濃厚接触者を特定できれば、こうした感染の疑いがある人も検査し、必要に応じて隔離することが可能だ。最終的には、多くの人が新型コロナに感染して集団免疫を獲得するか、新型コロナ向けワクチンが認可されるかだろう。