2017.03.28

ブルームバーグでは3月26日、ダイバーシティ&インクルージョン (D&I)への取組みの一環として、「Power of Out」と題したイベントを開催しました。「見えないマイノリティ」であるLGBTの人々が「カミングアウト」するということはどういうことだったのか、実際の体験談をうかがいながら、この10年で大きく変化したLGBTを取り巻く環境と、誰しもが「自分らしく生きられる」社会実現に向けて、個人や企業としてのありかたについて理解と学びを深めました。

オープニングにあたり、ブルームバーグ会長であり、D&Iの強力な推進者でもあるピーター・グラウアーが壇上であいさつし、「LGBTの人々が自分のことを隠さなければならない職場では、パフォーマンスが下がる」という調査結果を紹介、投資家や企業はESG (環境・社会・ガバナンス) などの情報をますます重要視するようになっており、各自が自分らしさを全面的に生かしたオーセンティック・リーダーシップを発揮できる環境こそが、産業界でも求められている、と結びました。

自分自身から変革を起こせるかもしれない

ゲストにお迎えしたのは、ドイツ銀行ディレクターの柳沢 正和氏。柳沢氏は2012年のTEDx Tokyoにも登壇、「全世界に向けて市場最大級のカミングアウト」をしたとも言われている方ですが、10年前入社した当時、職場でこの問題はほとんど語られていなかったそうです。最初に上司に伝えるときはとても勇気が必要だったということですが、「誰に対しても公平と思えた」上司の存在と、「自分自身が何か変革を起こせるかもしれない」という気持ちが、カミングアウトの後押しをしてくれたということです。

ブルームバーグLGBT&アライ コミュニティ東京リーダーであるCalvin Lauもパネリストとして参加、カムアウトすることで、大きく、ポジティブな変化を経験したときの話をシェアしてくれました。会社の上層部が中心となって積極的にD&Iのカルチャーをバックアップするブルームバーグの企業文化が、カムアウトするうえで大きな支えになった、と言います。

また、ブルームバーグ ニュース部署からは、子どもの名づけ親がゲイのカップルだというAnna Kitanakaもディスカッションに参加、子どもからの素朴な問いに対してどのように対応してきたかを共有しました。親としては、子どもの成長過程に合わせて誠実な対話を続ける、LGBTの人々を決して揶揄したり侮辱したりしない、という姿勢を見せることが大切だと強調しました。

職場でも自分らしくありたい

柳沢氏は、カミングアウトにあたっては、安全だと思える環境で、自分の「ストーリー」を語ることが大切だった、と言います。言ったその瞬間は驚かれても、「私のことを信頼した上で打ち明けてくれてありがとう」というポジティブな反応が返ってくる場合がこれまでほとんどだったそうです。カミングアウトはとてもパワフルで、しかもリスクがあり慎重にならなくてはいけないが、自分らしくあるための唯一の方法だ、と柳沢氏は何度も繰り返しました。何かを隠した状態では、職場でもチームのメンバーとうまくやっていくのはお互いに難しいのではないか、と疑問を投げかけました。

プロアクティブな「アライ(味方)」として信頼関係を築く

今後周囲の人々に何ができるか、というモデレータのAliia Kalchaevaの問いかけに、柳沢氏は、「アライになってほしい」と言いました。レインボーカラーのバッジを付けるなどLGBTの人々にわかるように、「アライだと示してくれれば、安心して話ができる。そうすれば私たちも喜んであなたのアライになる。」とし、それがはじめの一歩だとしました。

またこれはLGBTに限ったことではなく、「それぞれが自分のなかの『何か』をカムアウトし、それを受容し、受容される体験を通して相互信頼が育まれる。そして各自が自分らしくいられることが、オーセンティックなリーダーシップの発揮につながる」という言葉に、会場の参加者の間にも大きくうなずく姿が多く見られました。

一人一人がその能力を最大限に発揮し、やりがいを感じることができる職場環境と社会の実現に向けて、ブルームバーグにおいても引き続きダイバーシティ&インクルージョンに取組んで参ります。