ブルームバーグにおけるAIイノベーション

Day 1 午前の部
講演:ショーン・エドワーズ ブルームバーグCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)~BQLをデータ・アナリティクスに活用するサービスをリリース予定~

弊社CTOのエドワーズがニューヨークから駆け付け、コンピューターの演算処理能力が飛躍的に高まったことにより、ChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)が、汎用性や使いやすさなどの点で、AIモデルの新しい地平を切り拓いていくと語りました。

これはブルームバーグにとって、ソフト開発やシステム開発のあり方がこれまでとは一変することを意味します。数年前から開発中のBloombergGPTについて機械学習の評価を行ったところ、金融分野におけるパフォーマンスは他の一般モデルを大幅に上回り、同時に汎用的なタスクでも十分なパフォーマンスを確保できることが分かりました。

今後は自然言語処理にてAPIのデータ取得の関数を作成するサービスを英語版と日本語版のリリースを予定しており、リサーチ・アナリスト用に決算発表のトランスクリプトをバイサイドアナリストにとって重要な要点を絞って要約・分析するツールも開発中です。

ブルームバーグCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)ショーン・エドワーズ
ブルームバーグCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)ショーン・エドワーズ

第7回BQuant ハッカソン開催

Day 1 午後の部
第7回BQuant ハッカソン

アルファの追求がますます求められる時代、開発ができる専門人材の育成や持続可能な投資環境の構築は、バイサイド企業にとっての最優先の課題となっています。今回は、ハッカソン初登壇の企業から表彰経験を持つ企業まで、国内バイサイド7社が約3ヶ月かけて開発した自社の投資運用アプリを披露。各社が開発に使用したクラウドベースのBQuant エンタープライズには、自然言語処理や分散コンピューティング環境等の最新テクノロジーを搭載しており、データ分析の精度や処理スピードを格段に向上させることができます。発表に先立ち、 来日中のCTO室開発メンバーが、BQuantエンタープライズのデモンストレーションを行い、日中データとテキストデータを組み合わせた新しい分析ツールを紹介しました。

審査にあたったのは、東京都立大学院 経営学研究科教授  内山 朋規 氏、東京海上ホールディングス株式会社 常務執行役員 グループ資産運用総括 遠藤 良成 氏、ブルームバーグ チーフ テクノロジー オフィサー ショーン・ エドワーズです。

BQuantでより身近になった金融アプリ開発の最前線、全プレゼンテーションはこちらから本編をご覧ください。

第7回 BQuantハッカソン (参加企業 発表順)

  • 三菱UFJアセットマネジメント株式会社 チーム
  • 第一生命保険株式会社 チーム
  • ニッセイアセットマネジメント株式会社 チーム
  • 三菱UFJ信託銀行株式会社 チーム
  • 大和アセットマネジメント株式会社 チーム
  • 明治安田生命保険相互会社 チーム
  • 株式会社みずほ銀行 チーム

Day 2: イノベーションとテクノロジー最前線

Day 2 午後の部
「イノベーションとテクノロジー最前線」

Bloomberg Buy-Side Forum東京2023:「日本のトランスフォーメーションとバイサイドの創る未来」2日目は「イノベーションとテクノロジー最前線」をテーマに、ブルームバーグのバイサイドのプロダクトマネジャーが講演を行い、マーケットのトレンドや今後の見通し、それらを踏まえた最新の投資テクノロジーや製品開発のロードマップについて語りました。

詳細はこちらから本編をご覧ください。

講演1:「ブルームバーグ バイサイド・ソリューションの目指す姿」
~自動化によるオーダートレード・ポートフォリオの構築にも注力~

新NISAによる個人の投資インセンティブ向上、機関投資家の責任投資ニーズ拡大など、日本のバイサイドにおける変化を踏まえて、お客様に提供するソリューションの現状と将来展望をお伝えしました。今後は引き続きアセットのカバレッジに投資を行うとともに、お客様のテクノロジーとの接続・統合を進め、自動化によるオーダートレード・ポートフォリオの構築にも注力し、そこに最新のAIやデータサイエンスを組み込んでいく予定です。

講演2:「BQuant エンタープライズ:NLPとイントラデイ・データ」
~イントラデイとテキストのアナリティクスを組み合わせたNLP分析ツール~

最新のBQuantプロダクトや2024年以降の計画についてご紹介しました。あるニュースがマーケットに及ぼす影響の広がり具合を見極めたいというニーズに対応するため、イントラデイ・アナリティクスとテキスト・アナリティクスを組み合わせたNLP分析ツールを開発。24年以降はArcticDBを BQuant エンタープライズに格納することや、Add-On パッケージとして新しいEquity Signal Labのリリースなどを予定しています。

講演3:「IBチャットとオートメーション」
~コミュニケーションから重要な情報を抽出するIB API~

LLMの具体的な活用分野として、とくに「コミュニケーション」に注目。ビジネスプロセスを自動化するとともに情報を濃縮して、ブローカーなどとのコミュニケーションから重要な情報を抽出する方法について説明しました。IB APIというブルームバーグ・チャット・インフラストラクチャーを活用すれば、APIがチャットやニュース、リサーチなどを自動的に捕捉することにより、ワークフローの効率化が実現します。

講演4:「ポートフォリオ管理高度化のロードマップ」
~効率性・拡張性の向上、カスタム化を実現するワークスペースとリスクモデル~

オペレーションの効率性向上や、拡張性の高いイノベーション創出といったバイサイドのニーズに対するソリューションを提示しました。インタラクティブで拡張性が高く、カスタム化ができるDecision Supportのワークスペースや、マルチアセットクラス・リスク・ファクターモデル(MAC3)、ハイブリッド・パフォーマンス・アトリビューション(MAC HPA)などの紹介がありました。

講演5:「クラウド環境で実現するデータ管理・活用の高度化」
~ブルームバーグ独自のクラウド環境を提供するホスティング・サービス~

近年では日本のバイサイドにおいて、データ管理のクラウドへの移行を検討するケースが増えています。ブルームバーグ独自のクラウド環境を提供する「データライセンス・プラス(DL+)」というクラウドベースのホスティング・サービスを紹介しました。ブルームバーグのデータとMSCIなど他社のESGデータを合わせてSFTPやAPI経由で配信したり、Snowflake環境へ配信することも可能になっています。

講演6:「ETF市場から見る最新テーマとインデックスプロダクト」
~利益率の安定性に着目した新しいタイプの株価指数を開発~

バイサイドの投資ニーズが多様化するなかで、ETFや各種インデックスも急速に進化を遂げています。ETFとインデックスの最新トレンドを紹介しました。ブルームバーグでは独自リサーチやデータに基づき従来にない種類の株価指数を開発しており、最近では企業の利益率の安定性に着目した「ブルームバーグ米国プライシングパワー指数」が米国ETFのベンチマークとして採用されました。また、リアルタイムで更新する社債インデックスの算出も始めています。

当日の様子は以下からオンデマンドでご覧いただけます。

バイサイドフォーラム東京2023 Day 1 午前の部オンデマンド: bloomberglp.com/BSFTokyo23Day1

バイサイドフォーラム東京2023 Day 1  ハッカソンオンデマンド: bloomberglp.com/BSFTokyo23Hackathon

バイサイドフォーラム東京2023 Day 2 午後の部オンデマンド: bloomberglp.com/BSFTokyo23Day2