DX時代の業務効率化と資産運用の高度化の鍵を握るIT人材を地方から
政府が推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)を背景にコーディングをはじめとするプログラミングを含めたIT人材やITスキルへのニーズは、業務効率化や資産運用の高度化に取り組む金融業界全体で大きな高まりを見せています。DX人材育成のサポートとBQuantプラットフォームの普及を目指し、ブルームバーグでは地域金融機関を対象として、BQuantトレーニングプログラムを3ヶ月弱にわたって開催いたしました。全国各地から17の地域金融機関の皆さま60名がオンラインで参加されました。
プログラム最終日となった6月16日、BQuantアプリケーションアイデアの発表会が行われました。発表者は、伊予銀行、山陰合同銀行、千葉銀行、広島銀行、長野県労働金庫、福井銀行、福岡銀行、滋賀銀行、静岡銀行、十六銀行、中国銀行の11金融機関です。
ブルームバーグ独自のインタラクティブなプラットフォームであるBQuantは、大量データの集計や加工、スクリーニング機能、インタラクティブなビジュアライゼーションなどを容易にするもので、これまで手作業で行っていたスプレッドシートを用いた更新作業やマニュアル入力をはじめとする時間と手間のかかる行程を大幅に削減することが可能です。開発アプリで評価項目や期間を選択して入力することでインタラクティブな結果を即座に見ることができ、他ユーザー様へ展開することも容易です。3ヶ月弱にわたって通常業務をこなしながら新しいスキルの取得に尽力された各行の今後の取り組みが期待されます。
BQuantで開発したいアプリ
今回の発表会では、今後BQuantを活用していきたい業務として、以下のように、ESG評価、為替業務の相関分析、機械学習を用いた市場予測などさまざまな活用のアイデアがあげられました。すでに具体的な枠組みを構築して次のステップに進もうとしている金融機関様も出てきています。
■ ESGの定量的スクリーニングのビジュアライズ
■ ポートフォリオのESG評価
■ 為替業務の相関分析と業務効率化
■ 収益向上、コスト削減に資するアプリ
■ 過去のトレードの解析および最も勝率が高いモデルの選定
■ VaR予測、収益予想、ポートフォリオ最適化、感応度管理
■ 保有債券のクレジットモニタリング業務
■ リスク管理における定量判断となる指標の策定
■ 取得するデータの将来予想値入力で為替相場予測
■ 機械学習を用いた金利予測による将来の変動リスクの測定
■ クレジット分析業務の効率化(データ抽出及びグラフ等を用いた「見える化」)
分析結果のビジュアライゼーションやデータ共有
具体的な機能として活用のご要望が多かったのは、以下のように任意の項目の組み合わせを選んで分析結果をインタラクティブに表示できる、BQuant が得意とするビジュアライゼーション機能やデータ共有のほか、情報の効率的な収集、分析手法の改善です。
■ ワンクリックでさまざまな評価項目を見たい
■ スクリーニングの条件を機動的に変更したい
■ 分析結果をわかりやすく表示したい
■ アプリを活用することで、情報を自動的、効率的に収集したい
■ インデックス、期間を指定することでグラフ作成まで完了したい
■ 分析手法の改善とアプリでのデータ共有を活用した運用の高度化(職員のスキル向上含む)を実現したい
■ 他部署の業務でも活用できるように分析対象に汎用性を持たせたい
BQuantで解決したい課題
BQuant で解決したい課題としては、圧倒的に多かったのが以下のようにエクセル作業や手入力の軽減や効率化でした。また、人事異動で担当者が変わってもツールの継続利用ができる仕組みを求める声もあがりました。
■ エクセルなどでは負荷が大きい業務や作成に手間がかかる業務を軽減したい(例:大量のデータを用いた分析)
■ 手作業を簡略化したい
■ 担当者が変わってもツールの継続利用ができる仕組を構築したい
■ 複数インデックスをプルダウンで追加、削除が簡単に行えるようにしたい
■ データを後で徐々に追加していく場合の管理を簡単にしたい
BQuantとは、迅速なデータ分析を可能にするインタラクティブな開発プラットフォームです。ブルームバーグターミナルの各種機能や豊富なデータ、ブルームバーグクエリ言語(BQL)のほか、オープンソースのPythonライブラリとシームレスに連携しています。定量分析を必要とするユーザーの声に応える形で設計されており、仮説の検証、インタラクティブなビジュアライゼーションの作成のほか、社内の他のユーザーとの共有も簡単にできるようになっています。
参加された皆さまからは、「効率化や改善化につながる」「アプリケーションがアイデアで終わってしまうのはもったいない」「非常に刺激になった」「今後も情報交換していきたい」といった声が聞かれました。一方で「Python等のプログラミング業務におけるノウハウ不足」「行内での分析業務及」「プログラミングに係るコンセンサスの欠如」などが課題としてあげられました。
ご紹介いただいたアイデアのアプリ開発にあたりましては、社内共有が簡単にできるインタラクティブな実用的アプリケーションとして、プログラム要員を雇用せずとも内製化で対応できるよう、弊社でもお客さまの状況に合わせたサポートを続けていければと存じます。
最後に弊社機関投資家営業 地域金融機関営業統括 富永より、「初めてのコーディングに取り組み、宿題もこなしながらの3ヶ月間は大変だったと思います。その時間を耐え抜かれたからこそ今日のようなすばらしいアイデア共有の時間を持つことができました。ともに走りきった仲間として、今後も情報交換をしながら、諦めずにチャレンジを続けてくださることを願っています。政府が提唱するよりデジタル化された社会構想であるSociety 5.0に向けて、各行の先駆者として、また地域をリードする金融機関として、参加者の皆さまの今後のご活躍をお祈りしております」とご挨拶させていただきました。
洗練されたデータ分析を迅速に行い簡単に社内共有できるバイサイドのお客さま向けのプラットフォームであるBQuantは、コンピュータ言語であるPythonを使用したデータ分析ツールで、ポートフォリオ分析機能PORT<GO>、オーダーマネジメントシステムAIM<GO>、自社リサーチ管理システムRMS<GO>等さまざまなブルームバーグの端末機能と連携し、統合的に利用することが可能となっています。
BQuantについての詳細は弊社営業担当までお問い合わせ下さい。無料デモやカスタマイズしたトレーニングのお問い合わせも随時承っております。
- 決起会 (4/7)
- 第1回:はじめてのPython (4/14)
- 第2回:パンダスを使用したデータマニピュレーション(4/28)
- 第3回:APIと金融データ取得 (5/12)
- 第4回:アプリとチャート作成基本 (5/26)
- 第5回:総まとめ +アプリ作成の上での質疑応答 (6/9)
- アプリケーション発表会 (6/16)
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