ブルームバーグは2025年10月9日、東京オフィスで「Bloomberg Code Crunch 2025」を開催しました。金融機関の実務担当者がBQuantエンタープライズを活用し、約5か月にわたり開発した金融分析アプリケーションを発表しました。本イベントには、国内の主要資産運用会社や保険会社、銀行など7チームが参加。データサイエンスとAIを活用した実践的な金融ソリューションが次々と披露され、参加者の真剣な姿勢と創意が随所に感じられる内容となりました。
本イベントは、2019年から続くブルームバーグ主催の年次ハッカソンを前身とし、今年から「Code Crunch」としてリブランディングされました。「Crunch(噛み砕く)」という名の通り、コーディングを通じて膨大なデータを分析し、新たな価値を創造することを目的としています。冒頭では、ブルームバーグ日本統括責任者ノーマン・トゥエイボームが登壇し、「本日皆さんが披露するのは単なるプレゼンテーションではなく、金融の未来を形づくる一歩です」と述べ、参加者の努力と創造性に敬意を表しました。
イベントではまず、CTOオフィスのベン・クラークよりBQuantエンタープライズの最新機能が紹介され、その後7チームが順に登壇。AutoMLやCausalMLを活用したクレジット分析、NLPやAIエージェントによる情報抽出、ネットワーク解析を応用した市場構造の可視化など、幅広いテーマのアプリケーションが発表されました。
プレゼンテーション後には、参加者によるデモンストレーションと来場者投票が行われました。会場後方に設けられたブースでは、実際のアプリケーションが稼働し、来場者は開発者との意見交換を楽しみながら、技術の完成度や実務適用の可能性を体感しました。
表彰式では、「Most Popular App 賞」「BQuant Master Mind 賞」「審査員特別賞」の3つのアワードの受賞チームが発表されました。特別審査員を務めた筑波大学ビジネスサイエンス系の山田雄二教授をはじめ、ブルームバーグCTOオフィスのメンバーらが審査を担当。総評では、クレジット因子やレジーム分析の精緻な設計、NLPとAIエージェントの実用的応用、投資成果に直結する精度とスピード感など、各チームの独創性と実装力が高く評価されました。Most Popular App賞は農林中金全共連アセットマネジメントチームと、同票一位のみずほ銀行チームが受賞。BQuant Master Mind賞は三菱UFJアセットマネジメントチーム、審査員特別賞は明治安田生命保険チームがそれぞれ選ばれました。
閉会の挨拶では、ブルームバーグAPACテクノロジーチームのジャスティン・ルンが登壇し、「日本市場ではDXや資産運用立国の機運が着実に形になっている。今回のCode Crunchはその象徴であり、ここでの成果をアジア全体へ共有したい」と述べました。また、参加チームへの感謝とともに、「ブルームバーグのテクノロジーが実務の変革に貢献できていることが、私たちにとって最大の喜びです」と結び、イベントを締めくくりました。
Code Crunch 2025は、単なる技術コンペティションを超え、金融の現場でAIとデータサイエンスをどう活かすかを具体的に示す場として、確かな存在感を示しました。イベントの模様は後日オンデマンド配信予定で、各チームのアプリケーション詳細レポートも順次公開されます。ぜひご覧ください。

Bloomberg Code Crunch 2025アワードは、Most popular 賞、Master Mind賞、審査員賞の 3種類で構成されています。各賞の受賞チームは以下の通りです。
Most Popular app賞 : 農林中金全共連アセットマネジメントチーム/ みずほ銀行チーム (同票獲得)
BQuant Master Mind賞:三菱UFJアセットマネジメントチーム
審査員賞:明治安田チーム
Most Popular App賞:会場参加者の投票により選出。当日のイベント参加者に最も人気のあるアプリケーションへ贈られる賞。
BQuant Master Mind賞:開発サポートにあたったブルームバーグのディベロッパーやCTOオフィスメンバーにより選出。プレゼンテーションでは見ることのできない、精密なデータ処理やユーザーに長く使われるためのUIの工夫などにフォーカスした賞。
審査員賞:特別審査員により選出。専門的な観点から先端的な分析や手法を評価。
- みずほ銀行チーム
- 農林中金全共連アセットマネジメントチーム
- 三菱UFJアセットマネジメントチーム
- 明治安田チーム
特別審査員として審査および講評にあたっていただいたのは、筑波大学ビジネスサイエンス系 山田 雄二 教授 です。ご尽力に心より感謝申し上げます。

特別審査員 山田 雄二 教授 筑波大学ビジネスサイエンス系
参加チーム名(発表順)
- 大和アセットマネジメント株式会社チーム
- 三菱UFJアセットマネジメント株式会社チーム
- 株式会社みずほ銀行チーム
- 明治安田生命保険相互会社チーム
- 農林中金全共連アセットマネジメント株式会社チーム
- 東京海上ホールディングス株式会社チーム
- 三井住友海上あいおい生命保険株式会社チーム



