ブルームバーグではイノベーションを基本理念においています。常にそれまでとは違うやり方を追い求めることで、大きな結果が出せると考えているのです。人材育成、プロダクト開発、カスタマーリレーション等、ブルームバーグすべての部門で、ダイバーシティ&インクルージョンプランのもと独創的な考えや企画を奨励し、イノベーションを促しています。一例として、ブルームバーグTVは、ダイバーシティ&インクルージョンの流れが加速した背景に着目し、社会の変化による圧力や企業が取り組むべき課題にフォーカスした番組の放送を開始しました。

2016年、ブルームバーグは男女平等指数(GEI)を開発し、企業のジェンダー統計、行動指針、ジェンダーに配慮した商品展開、社外コミュニティーへのサポート提供や関与について、標準化された集計データを投資家や組織向けて提供することを始めました。同インデックスの開始以降、24の国や地域、10業種にわたる100以上の企業がGEIに参加しており、男女平等を取り巻く社会やガバナンス関連のデータの透明性と認知度を高めています。

ブルームバーグは、障がいを持つユーザーが使用する音声読み上げソフトとの互換性を改善するため、インフラの改良を続けています。障がいを持つブルームバーグターミナルユーザーのニーズを理解し、より良く対応できるよう独創的な開発も進めています。例えば、NYオフィスで、各部門から選出されたブルームバーグ社員がカーネギメロン大学の修士課程の大学院生とヒューマン・コンピューター・インタラクションの領域にて共同開発を試みました。学生たちによる「視覚障がいを持つユーザーに金融情報を伝達するアプリ」のデモンストレーションがブルームバーグのオフィスで行われ、結果的にこのアプリはオンラインでリリースされることになりました。

イノベーションの精神は、女性の声を尊重する取り組みにも生かされています。女性の意見が重大なニュース報道で驚くほど過小評価されている状況を受け、アジア太平洋地域のニュースチームは2016年後半、「ウィメンズ・ボイス・プロジェクト」を同地域でスタートさせました。これは、ブルームバーグの放送番組やニュースでカバーするストーリーにおいて、解説者やコメンテーターとして登場する専門家や関係者に女性の割合を増やす取り組みで、開始後1年あまりで、カバーする女性の割合が劇的に増加しました。それだけでなく、新たな声を取り込むことで、カバレッジの質やストーリーとの関連性も向上し、記者やエディターはそれまで取材したことのなかった女性との接点を獲得することができました。同プログラムはその後グローバルで展開され、今や世界各地で2,700名のブルームバーグ記者が取材できる女性のデータベースが構築されています。

ブルームバーグは、ブラジルにおける将来の労働力に関する取り組みにも参加しています。現在、ブラジルの人口の半数以上は、黒人またはアフリカ系ですが、ブラジルを拠点とするグローバル企業のマネージャーや幹部に占める黒人系ブラジル人の割合はわずか11%です。このギャップを解消するために、ブルームバーグはゴールドマンサックスやリンクレーターズと協力し、LIFT (Language, Inspiration, Focus, Transformation)プログラムを通じて、低所得者層の黒人系ブラジル人学生がもっと社会にでていけるように、社会流動性の向上に尽力しています。ブルームバーグ社員は、2年間の英語コースおよびメンタリングプログラムに参加する大学生をサンパウロ都市圏から募集し、選定するほか、ボランティアとしてプログラムに参加し、現地のさまざまなパートナーと協働しています。第2回LIFTプログラム(2017~2019年)の参加者は初回プログラムに比べて倍増しました。黒人系プロフェッショナル育成のビジネスケースを確立するために、今後もさらに規模を拡大してく予定です。

創造力を生み出し、ダイバーシティとインクルージョンを大切にする私たちの理念の推進力はイノベーションです。