日本郵船株式会社 財務グループ: 左から外枦保様(資金チーム)、岩隈様(資金チーム)、澤口様(統轄チーム)、大國様(資金チーム長)、荻原様(プロジェクトファイナンスチーム)、佐久間様(資金チーム)、小野澤様(プロジェクトファイナンスチーム)
日本郵船株式会社 財務グループ: 左から外枦保様(資金チーム)、岩隈様(資金チーム)、澤口様(統轄チーム)、大國様(資金チーム長)、荻原様(プロジェクトファイナンスチーム)、佐久間様(資金チーム)、小野澤様(プロジェクトファイナンスチーム)

為替取引の引き合い、約定から時価評価までをブルームバーグ上で一貫して行うことで、大幅な業務改善を実現することが出来ました。

 

日本郵船の事業内容についてお聞かせください。

日本郵船グループは海運業を中心とするグローバルな総合物流企業です。様々な種類の貨物船を数多く運航しているほか、グループ内では貨物専用の航空機を運航する会社や、倉庫や配送を担う物流会社などもあり、物流に関する総合的なソリューションを提供できるのが強みとなっています。

もともとは海運業の会社でしたが、時代と顧客のニーズの変化に合わせて自らも変化してきました。

日本郵船株式会社ウェブページより抜粋
日本郵船株式会社ウェブページより抜粋

財務部門の業務内容についてお聞かせください。

ここからは日本郵船の本社財務部門の話になりますが、資金の調達と運用はもちろん、業容の拡大に伴ってALM管理などのBSのマネジメントも重要になってきています。

その一環でもありますが、リスク管理も大切です。特に日本郵船では、日本にある円決算の会社でありながらグローバルに貨物船を運航するという背景によって、収入と支出の多くが米ドルを中心とした外貨となっているため、従来から為替のエクスポージャーが非常に高くなっています。

また、昨今の業容の変化に伴って海外ジョイント・ベンチャーへの外貨建て投資なども増えており、その分潜在的な為替リスクが増加する傾向にあります。

こうしたことから、為替予約を中心とするリスク・ヘッジが重要な業務のひとつになっています。

リスク管理に関して財務部門として注力しているポイントはございますか?

まず、上記のように為替リスクと切り離せない関係にありますので、コスト意識を高く持ち、為替予約の約定に際しても毎回必ず複数の銀行と引き合うことで、取引コストを少しでも低減できるように努力しています。

また、業容が変化、拡大する中で、従来と同じやり方をしているだけでは適切な財務管理を行うことが難しくなりますので、常に変化する意識を持ち、業務改善にも努めています。

ブルームバーグのFXGOとBVALの利用や、最近より導入したSTP化も、このような意識のもとに実現しました。

ブルームバーグによって業務改善した部分について教えてください。

日本郵船ではFXGOとBVALによって為替取引の引き合い、約定から時価評価までをブルームバーグ上で一貫して行うことで、大幅な業務改善を実現することが出来ました。

為替取引に関しては、2014年よりFXGOをメインプラットフォームとして使っています。

それまでは為替取引を電話で行っていたので、引き合いのためには銀行数に応じて複数の人員が必要でした。また、電話で約定した取引情報を個別に集計、管理する必要があり、業務効率の低下とエラーの原因にもなっていました。

FXGOを使用すれば端末を通じて一人で複数銀行との引き合いが可能なので、担当人員の削減につながりました。同時に、取引情報を自動的にFXGOのターミナルにまとめることができるので、ミスやエラーの量を大幅に削減することもできています。

加えて、2017年からは為替取引の時価評価にBVALのサービスも利用しています。月次決算の中で時価評価を行っていますが、FXGOで約定した為替取引をそのままBVALで時価評価できるため、システム転送が必要なく、業務の効率化、安定化につながっています。

この他にも、毎朝銀行の担当者と会話する際にはブルームバーグ画面を開いて、幅広い市況と豊富なニュースの両方をチェックしてから会話をするようにしています。これにより、より高い品質の情報を引き出せるようになりました。

また、財務部門以外の人でも情報ソースとしてブルームバーグ端末を使えるようにしており、すでに社内のインフラとして根付いているとも言えます。

STP化についても教えてください。

FXGOとBVALによって為替取引に関連する業務は大幅に改善されたのですが、最後に、社内各部署から受ける為替取引の依頼および会計処理上必要となる約定の証票が、紙ベースで残ってしまっているという課題がありました。

各部署から紙で受けた為替取引依頼に基づいて、財務部門にて手動でFXGOへの入力、紙ベースでの承認作業、FXGOでの引合いと約定、そして約定結果については再び紙による確認を行うというプロセスです。

2018年に行ったSTP化によって、現在では上記が全て電子上で完結するようになっています。

ブルームバーグにより作成
ブルームバーグにより作成

こういった業務効率化に率先して取り組まれたのは日本郵船の社風でしょうか?

その通りです。世界を相手に厳しい競争が続いておりますし、管理部門でも日々改善を考えていく必要があります。

 

数あるサービスの中から、ブルームバーグを選んだ理由は?

FXGO、BVALそれぞれの導入に当たって他のベンダーのサービスとも比較の上で選びました。高いレベルのサポートと利便性、それとコストの比較から総合的にベストなソリューションだと判断しています。
様々なレベルのトレーニングやセミナーが用意されている点も考慮しました。実務担当者は初級用のトレーニングを夕方業務が落ち着いた頃に利用させて頂いておりましたが、もっと様々なものを受講してみたいと思っています。

今後、さらにブルームバーグを利用していくことは考えていますか?

はい。日本郵船では中期経営計画の中で「デジタライゼーション&グリーン」を標榜しています。

「デジタライゼーション」に関してはITの進化によって日々新しいサービスが生まれていると思いますので、財務部門でも敏感に察知し、ニーズに合うものがあれば積極的に検討してきたいと考えています。

BVALの導入は従来システムの更新に合わせて検討したという経緯ですが、実は、それまでは時価評価のサービスがブルームバーグから提供されていることを把握していませんでした。今後も継続的に話をして、こちらのニーズや悩みを常に共有していくことも大切です。

「グリーン」に関してはESGへの取り組みが資金調達力に影響する時代になってきており、財務の観点でも重要性が高まっています。日本郵船では昨年、外航海運会社としては世界初のグリーンボンドを発行しましたが、今後も更なる可能性を模索してゆきます。ブルームバーグでもESG関連の情報提供を強化していると伺いましたので、是非さらに活用していきたいです。

インタビュー 2019/6/20