参加者ESG投資オンライン調査

参加者アンケートから見えてきたESG投資に関する傾向

  1. 最大のモチベーションは長期リターン
  2. 投手手法においてESGインテグレーションの採用が増加
  3. 課題は標準化された正確なデータへのアクセスとスキルの取得
  4. ESGインテグレーションの課題が大きいのはEとS

ブルームバーグがバイサイドフォーラム2020東京Day 1の視聴者の皆さまに対して行ったESG投資に関するオンライン調査では、ESG投資をする最大の理由として最も多くの参加者票を集めたのが「長期リターンの追求」でした。

また、ESG投資に伴う課題は「標準化された信頼性のあるデータへのアクセス」が1番にあげられ、分析スキルの取得がこれに続きました。(フォーラム総登録者数 680 回答者数146 対象:ポートフォリオマネジャー、アナリスト、ストラテジスト、企画、営業、マネジメント層を含むバイサイド)

資産運用業界では、アクティブ、パッシブを問わずグローバルでESGを意識した投資への関心が高まっており、それと同時にデータの信頼度への課題がクローズアップされる傾向にありますが、調査はそれを改めて裏付ける結果となりました。

ブルームバーグでも、情報に基づいた投資判断を下すために必要なESG データをさらに充実させて、投資家の皆さまが透明性や品質の高いデータにアクセスできるよう、引き続き努めて参ります。

モチベーションは長期リターン

「ESG投資に取り組む最大のモチベーション」として最も高かったのが、「長期リターンの追求」でした。実際に、Day 1のパネルディスカッションの中でも「ESG投資がコロナ禍のなかでアウトパフォームしていた」という結果が共有されています。これまで、比較的「顧客対応・ブランド強化」や「リスクマネジメント」といった側面で注目される傾向があったESG投資ですが、長期リターンとの関連性への理解が深まっていることがうかがえます。

ESGインテグレーションの採用が増加

現在取り入れているESG投資手法で、最も多かったのが投資判断の中に非財務情報であるESGを織り込む「ESGインテグレーション」、2番目にエンゲージメント、そしてネガティブ・スクリーニングと続きました。世界のESG投資の統計を発表しているGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)の2018年度の調査では、日本における最大の投資戦略は「企業のエンゲージメント・議決権更新」という結果でしたが、2年を経て行われた今回のブルームバーグの調査では、ESGインテグレーションがそれを上回るものとなっています。

課題は標準化された正確なデータへのアクセス

「ESG投資に伴う課題」として、最も多くの参加者があげたのが、「標準化された信頼性のあるデータへのアクセス」で、「分析スキルの取得」「投資フレームワーク・基準の構築」がほぼ横並びでそれに続きました。各事業会社で公表しているESGに関するデータの基準が標準化されていないために比較しづらいという背景があり、信頼できるデータへのアクセスが最大の課題である一方で、それを分析するためのスキル構築の必要性を感じている運用会社が多いという状況がうかがえます。

インテグレーションの課題は主にEとS

「E/S/Gの中で分析・インテグレーションに一番課題を感じているのは」という問いに、最も多かったのはSのソーシャル、ついでEの環境でした。Sについては、開示データが比較的少なく、標準化のための枠組みが整備されていないことが各方面から指摘されており、今後の課題となりそうです。一方でGが最も少なかったのは、コーポレートがバンスコードやスチュワードシップコードの施行にあげられる日本における取り組みもあり、データもかなり多く出そろってきているのが背景にあると思われます。

近年、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース提言書)やSASB(サステナビリティ・アカウンティング・スタンダード・ボード)など非財務情報の開示に関する基準が次々と開発・導入されていますが、標準化の推進、データ量の増加等、事業会社による開示努力がより一層求められています。