「一生懸命働いてスキルを磨け」:アナリストとして成功するための秘訣とは

Read the English version published on May 14, 2021.

これからキャリアをスタートさせる入社したばかりのアナリストは誰もが、できる限り学び成長して、将来の機会をつかむために頭角を現したいという野心を持っています。それを達成する方法は数多くありますがリサーチは特に役に立つ職種であり、将来さまざまな分野で成長するための強力な基盤と可能性を提供してくれます。

ブルームバーグが先日主催したウェビナーで、J.P.モルガンでマネージングディレクター兼北米エクイティリサーチヘッドを務めるNicholas Rosato氏が、エクイティリサーチにおける自身の経験やそこで得た教訓、今キャリアをスタートさせようとしている若者たちへのアドバイスを語ってくれました。

アナリストとして成功するための秘訣とは:Nicholas Rosato氏へのインタビュー

スキルに投資せよ

自身のキャリア成功を支えた要因について尋ねられると、Rosato氏はプルデンシャル、ベアー・スターンズ、そして現在のJ.P.モルガンに至る職歴について振り返り、自分は常にマーケット、そして株式分析が大好きだった、そしてキャリアを通じて最も大切なものを学びたいという気持ちがこの情熱と意欲の支えになったと語りました。「学校でのファイナンスの勉強であろうと、転職であろうと、私がしてきたこと全てがその気持ちを深めてくれました。将来の方向性について慎重に考え、運とタイミングの助けもあってここまで一生懸命働いてくることができたのは、自分が本当に好きなことをやってきたからです。リサーチの販売やマーケティング、管理業務に至るまで、私は常に情熱を持って取り組んできました。私は仕事に打ち込み、成功するために必要なスキルを磨いてきました」とRosato氏は述べました。

エクイティリサーチに必要な基本的スキルについてRosato氏は、初心者はまず金融市場と企業構造を理解する必要があると言います。「それに加えて、優れたコミュニケーション能力と文章力が必要です。最初から全てのスキルが備わっているわけではありません。学習によって得られるスキルもあります。しかし優れたアナリストになるためには、これら全てのスキルが必要なのです。これまで多くの人に出会ってきましたが、最初から全てのスキルを備えた人はいませんでした。しかし全ての人が、一生懸命働いて成功するという強い情熱を抱いていました。こうして獲得したスキルセットは、最終的にはさまざまなキャリアを支える素晴らしい基盤となってくれます。エクイティリサーチはもちろん素晴らしいキャリアですが、同時に極めて効果的なトレーニングの場でもあります」

こうした基礎的なスキルセットは、急速に変化するマーケットを理解しそこで仕事をする上でも重要な鍵となります。たとえばESGの台頭と規制強化、あるいはGameStopなどのいわゆるミーム銘柄(SNSで拡散された情報を基に主に個人投資家が取引する銘柄)が引き起こしたボラティリティなどは、現在リサーチの世界に変化をもたらしている要因の一つです。また、テクノロジーの進化が加速していることから、コンピューターサイエンスやプログラミングスキルも新規採用を検討する上で重要な要素となりました。「過去3年から5年の大卒者の中にはプログラミングスキルを有した学生が多く、私の部署でも驚くほど役に立ってくれています。エクイティリサーチについて教えていると彼らは何かに気づき、それを単純化するためにプログラムを構築してくれます。そのおかげで大幅に時間を節約するとともに、一部の業務プロセスを自動化することができました」

もちろん、アイディアの生成はアナリストとして成功するために欠くことができない要素です。「それは私たちの業務の中核です」とRosato氏は言います。アナリストが常に自問すべき質問には以下のようなものがあります。

  • 財務分析:「あなたのアイディアや前提は世間一般のものとどう違うのか?それを基にあなたはどのような判断を下すのか?」
  • 基礎研究とフィールドワーク:「テクノロジーであれプロダクトサイクルであれ対象が何であっても、注目すべき変化は何か?差別化されたように思えるものが見えれば、そこからアイディアが生まれる。」
  • ディスロケーションとバリュエーション:「これはトップダウンの見方かもしれない。自分では何が注目に値する、あるいは際立っていると思うか?」
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優れたコミュニケーション能力を備える

他の全ての金融ビジネスと同様に、リサーチも世界的な新型コロナウイルス感染拡大により大きな打撃を受け、変化を余儀なくされました。エクイティリサーチはリモートワークに適した職種であり、アナリストはより多くの時間を感染拡大が引き起こしたマーケットのボラティリティ分析に費やすことができました。しかし、その代償として個人的なつながりや人間関係が失われました。「私たちが失ったものが人と人とのコミュニケーションであることは誰もが分かっています。助言を求めたり、セールストレーディングの同僚と話をしたり、ベストプラクティスについて学んだりすることはオフィスで行った方がはるかにスムーズです」とRosato氏は言い、対面業務が再び可能となるまでの間アナリストが学習を継続し人とのつながりを維持するために、より多くのコミュニケーション、スキップレベルミーティング(経営層と従業員の直接対話)、インフォーマルなミーティングなどを推奨しています。

エクイティリサーチの将来について、クオンツやETFの台頭によりビジネスが縮小していると言われています。しかしRosato氏によれば、新型コロナウイルス感染拡大によるボラティリティの拡大やディール数の増加によって、アナリスト業務に対する需要は2020年に35%増加しました。「エクイティリサーチが必要なくなるという主張は、私には誇張されすぎているように聞こえます。今後も投資銀行業務の重要な機能として存続するでしょう」とRosato氏は述べています。

注目を集める

リサーチをマーケティングするとき、アナリストはどうすれば注目を集めることができるでしょうか。Rosato氏が明かす、リサーチの世界で実力をつけて成功するための秘訣は以下の通りです。

  • 論文や仮説、推奨などを考え出すほかに、自分の考えを(派手すぎない方法で)前面に押し出し、リーダーに自分のリサーチの優れた点をアピールすることが重要です。また、外部の関係者だけではなく社内の関係者も大切にしましょう。
  • アナリストとして上のポジションを目指すときには、周囲に優秀なライバルがいるかどうかを確認することが重要です。優れた仕事をしている人は周りにいますか?Rosato氏が社内の人材を採用しようとするとき、そうしたアナリストは一歩先を行っていることになります。
  • 顧客とだけではなく社内においてもリレーションシップ構築に励みましょう。あらゆる機会をつかんでセールスと話をしましょう、人の役に立ち、シニアアナリストとの対話を続けましょう。各種イベントにも積極的に参加しましょう。
  • 常に積極的に動きネットワーク構築に励みましょう。それにより、社内にあるさまざまなツールやリソースを活用できるようになります。「研修にも積極的に参加し、自身を差別化する機会として大いに活用しましょう」とRosato氏は述べています。

本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。