AI時代のテック株ベンチマークに電力供給の視点が必要な理由

Read the English version published on July 30, 2026.

AIの成長はもはやソフトウェアだけでは語れず、電力インフラが重要な要素となっています。投資家の間では、テック株のベンチマークも、AIを支える電力供給まで視野に入れる必要があるとの認識が広がっています。

人工知能(AI)は、現代を象徴するテクノロジーとしての地位を確立しつつあります。

チャットボットやコパイロットから始まったAIの活用は、今やハードウエア、クラウドプラットフォーム、広告、ゲーム、企業向けサービスを支えるまでに広がっています。かつてはテクノロジー分野の周辺に位置していたAIは近年、経済活動の中核を担う存在となっています。

開発者や投資家の焦点は、ソフトウェアから、AIシステムの構築、トレーニング、導入を支える基盤へと移っています。その基盤となるのが、AIの開発と利用を継続的に支えるテクノロジー、ハードウエア、インフラ、すなわちAIインフラ(AI/Infra)です。

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AIとAIインフラのさらなる成長を裏付ける予測

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の予測は、AI/インフラへの注力を一段と強めることが有益であり、必要でもあることを示しています。

生成AIへの投資拡大を背景に、データセンターの電力消費は2030年までに4-10倍に急増する見通しです。

2022年に400億ドル(約6兆3000億円)だった生成AIの年間売上高は今後急拡大を続け、2032年には推定1.8兆ドルに達すると予想されています。つまり年平均成長率(CAGR)は42%と極めて高く、世界のテクノロジー支出の最大16%を占める規模となる見通しです。

AIワークロードはすでに、世界のサーバー売上高の20%以上を占めています。この数字は今後数年間で40%まで上昇すると予想されています。

AI/インフラという物理的な制約に対応するための持続的かつ戦略的な投資は、今や生成AIとその成長を支える上で不可欠であると広く認識されています。

AIバリューチェーンへの効果的なベンチマーク・エクスポージャー

ベンチマークで効果的なエクスポージャーを得るには、最も注目度の高いテクノロジー大手だけでなく、AIバリューチェーンのより川上まで目を向ける必要があります。

エネルギー供給能力が経済成長の制約要因となりつつある状況の下、電力関連機器メーカー、送配電網事業者、蓄電ソリューション、物流ネットワーク、重要素材のサプライヤーはいずれも恩恵を受けると見込まれます。

AI/インフラは、現在および将来のエネルギー供給に不可欠なコモディティに大きく依存しており、ここに株式とコモディティの明確なつながりがあります。

大規模なAIモデルの学習や運用には、データセンターで数千基の画像処理半導体(GPU)を相互接続し、膨大なデータを極めて高速でやり取りする必要があります。こうしたデータのやり取りが発生するたびに、電力が消費されます。

洞察力のある投資家は、AIおよびAI/インフラブームに伴う電力需要と、世界の官民両セクターで高まるエネルギー需要、供給能力、安全保障への懸念には、投資対象として大きな重なりがあることをいち早く見抜いています。

「分断の10年」におけるアジア太平洋地域のAI

また、地政学的な要因も影響しています。

世界の市場では、主に米国の外交・経済政策を受けて変化や分断が進み、ポジションの再構築も進んでいます。これは「分断の10年」へと向かう持続的な変化の幕開けです。

「分断の10年」において、AIは激化する米中対立の主戦場の一つとなっています。両国政府は、超知能の実現に向けた取り組みを含め、AI分野で主導権を握ることが、経済力や国家安全保障にとって極めて重要だと考えています。

アジア太平洋の一部の投資家は、電力消費の増加や、世界および域内の経済活動の活発化を見据え、需要の高まりが見込まれるコモディティを見極めようとしています。

一方、アジア太平洋地域で「セーフヘイブン」とみなされる国・地域には、AI関連の多額の投資が集まっています。マイクロソフトは2026年4月に日本とオーストラリアへの新たなAI投資を発表しました。

ブルームバーグ指数はAIを支える電力インフラをどう捉えるのか

ブルームバーグでは、指数の設計・構築にAIバリューチェーンの各領域を体系的に組み入れることで、川上から川下まで幅広くカバーし、投資家に対してAI関連市場をより深く捉える視点を提供します。

ブルームバーグ人工知能トータルリターン指数(BAIT:IND)は、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のリサーチに基づき、ディープラーニング、機械学習、自然言語処理、画像・音声認識などのソリューションを開発、提供、利用する上位50社のパフォーマンスを追跡します。

ブルームバーグAIバリューチェーン指数(BAIVT:IND)は、より体系的なルールベースのアプローチを採用しており、BIリサーチに基づき、AIエコシステムの基盤を担う企業をマッピングします。同指数への組み入れ対象となるのは、AIとの関連が明確で実質的なエクスポージャーを有する企業です。対象ユニバースを確定した後、企業はクラウド、AIハードウエア、AI半導体の三つのカテゴリーに分類されます。各グループから、浮動株時価総額の大きい上位15社を選定します。

米国上場半導体指数(BCHIPT:IND)は、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)が選定した半導体セクターの米国上場企業上位30社のパフォーマンスへの連動を目指して構築されています。

ブルームバーグ・エレクトリフィケーション・セレクト指数(BELECT:IND)は、再生可能エネルギーによる発電、電力網インフラの近代化、大規模蓄電などの製品・サービスを提供する企業のパフォーマンスを追跡します。BIが定義する電力系統技術、分散型電源、太陽光発電、風力発電、原子力発電のテーマに含まれる最大100銘柄で構成されています。

本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

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BISLは、英国およびウェールズにおいて登録番号08934023で登録され、所在地は英国・ロンドン・クイーン・ヴィクトリア・ストリート3番地、EC4N 4TQです。BISLは、ベンチマーク管理者として金融行動監視機構(FCA)により承認・規制されています。

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