バンガードやブラックロック、J-REITの⾦メダル狙う【端末活用術】

本稿はデータ・アナリストのJunfeng Yangが執筆し、ブルームバーグターミナルに掲載されたものです。(06/28/2021)

背景

東京五輪への楽観的見方が世界的な債券購入のテーパリング(段階的縮小)への懸念を上回ってきたことを背景に、バンガード・グループやブラックロックをはじめとする多くの投資会社が日本の不動産投資信託(REIT)への投資を積み増しています。

課題

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に見舞われた経済が東京五輪で回復するとの楽観論の中で、東証REIT指数は東証株価指数に年初来で15ポイントのアウトパフォームを記録しました。機関投資家200社以上が日本のREIT銘柄のポジションを前期よりも大幅に積み増していますが、中でもバンガードは上場REIT全68銘柄のうち40銘柄で投資を拡大しています。ホテルREITや産業用REITは、過去3カ月間でリターンが最も高くなっています。

WATC機能、IS機能、およびGS機能を使用して、J-REIT銘柄の実績を確認して機関投資家によるポジションを識別し、配当成長率とキャッシュリターンの予想が上昇しているREIT銘柄をスクリーニングします。

トラッキング

REITの実績を分析すると、年初来の加重平均上昇率では、TOPIXの8.5%に⽐べて、東証REIT指数は21.8%上昇。過去3カ⽉間は商業施設、総合型、ホテルのREIT銘柄が最も上昇していることがわかります。

機関投資家208社が⽇本のREIT銘柄のポジションを前期よりも20%以上積み増しており、バンガード、⼤和証券グループ本社、ブラックロック、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニーなどもこれに該当します。

IS機能でJ-REIT 銘柄への投資を積み増した機関投資家を確認

ポジションの増減をさらに検証してみます。バンガードは直近の報告によると、⽇本の上場REIT68銘柄のうち40銘柄でのポジションを積み増しています。最⼤の投資先は、積⽔ハウス・リート投資法⼈、ユナイテッド・アーバン投資法⼈、⼤和ハウスリート投資法⼈など。⼀⽅、ブラックロックも上場REIT7銘柄への投資を拡⼤しています。

次に、配当成長率とキャッシュリターンの予想が上昇しているREIT銘柄をスクリーニングします。

GS機能で配当成⻑率とキャッシュリターンが⾼いREIT銘柄を検索

三井不動産ロジスティクスパーク投資法⼈や産業ファンド投資法⼈などがキャッシュリターンや配当成⻑率の予想で最も好調であることが分かります。これらのREIT2社は、バンガードとブラックロック両社のポートフォリオにも保有されています。

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