製造施設とワクチン接種率データからわかるサプライヤーリスク

Read the English version published on October 22, 2021.

2020年に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)がピークに達していた頃は、製造施設が閉鎖されてサプライチェーンに混乱が生じました。自動車メーカーから食品のサプライヤーまで、新型コロナ感染が従業員の間で拡大する中、米国全土のあらゆる製造施設が閉鎖を余儀なくされたのです。そして今、特にワクチン接種率の低い地域でデルタ変異株が再び脅威となる可能性があります。

ジョンズ・ホプキンズ大学の集計による21年8月18日現在のワクチン接種データによると、米国でワクチン接種率が40%に満たない州は、ワイオミング、アラバマ、ミシシッピ、アイダホ、ウエストバージニア、ルイジアナ、アーカンソー、ジョージアの8州です。ブルームバーグが提供する「グローバル施設データセット」は、全世界の上場企業1万1000社以上と製造施設19万3000カ所以上を網羅しており、デルタ変異株に対して最もリスクが高い工場はどこかを特定するのに役立ちます。

食肉加工会社のタイソン・フーズや製紙会社のインターナショナル・ペーパー、段ボールメーカーのウエストロックはそれぞれ、ワクチン接種率が40%未満の州に30以上の工場を保有しています。

タイソン・フーズはワクチン接種率の低い州に60以上の工場があるため、一見すると最も製造能力のリスクが高いように見えます。

しかし、他の鶏肉加工業者と比較すると、同社工場のうちワクチン接種率の低い州にある工場の割合は34%で、鶏肉生産会社のプリグリムズプライド(41%)や食品メーカーのサンダーソン・ファームズ(47%)よりも数ポイント低いことがわかります。

タイソン・フーズは21年8月3日、米国の全従業員に11月1日までにワクチン接種を完了するよう義務付けました。9月30日時点で同社の米国従業員10万人以上(91%)が少なくとも1回目のワクチンを接種済みです。従って、同社の工場が閉鎖されるリスクは時間の経過とともに低下するかもしれません。

以下のデータは、ワクチン接種率の低い州では新型コロナ感染者数が依然として多いことを示しています。

では、これらサプライヤーの顧客である販売先とって、このことは何を意味するのでしょうか。ブルームバーグ ターミナルのサプライチェーン分析(SPLC)機能では、サプライヤー(鶏肉加工業者)の工場のいずれかが閉鎖された場合、販売先のうちどの企業が最も影響を受けるかを素早く把握できます。

例えば、サンダーソン・ファームズの生産が減ると、販売先117社で供給が圧迫される可能性が極めて高いことが分かります。サプライチェーンをさらに掘り下げてみると、サンダーソン・ファームズの販売先である飲食製品卸売会社のUSフーズ・ホールディングで鶏肉が供給不足になると、今度はUSフーズ・ホールディングの販売先である食品サービス会社のアラマークが打撃を受ける可能性があります。アラマークは、売上原価の約6.9%がUSフーズ・ホールディングからの調達分で、サンダーソン・ファームズにとっては二次顧客となります。

サプライチェーンに関して何かお困りのことがございましたら、ブルームバーグのスペシャリストまでお問い合わせください。データから詳細なインサイトを探るお手伝いをさせていただきます。

本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。