全ての金融機関で高まるデータ管理の重要性、規模の大小問わず

Read the English version published on October 4, 2021.

この記事はブルームバーグのデータ・マネジメント・サービス部門グローバル統括、Keith Bunnellが執筆し、A-Team Insightから転載されたものです。

情報は常に金融業界の生命線となってきました。真に有益なインサイトを提供するデータが多いほど、資産運用会社は競合先に対して優位に立つことができるでしょう。それ自体は目新しいことではありません。新しいのは、データの量と入手可能なデータの種類です。従来の財務報告に加え、資産運用会社は今ではESG(環境・社会・ガバナンス)慣行や規制順守状況、サプライチェーンなど、さまざまな情報源のデータセットを無限に活用できるようになりました。

今日の投資家は、世界中の経済活動の全容をより詳しく把握するために、クレジットカードの領収書から電力使用量、港湾交通量に至るまで、従来とは異なる大量の経済データにも注目しています。技術の進歩に伴い、有能なアナリストは処理すべき情報をさらに見つけることになるでしょう。

新しいデータには利点だけでなく、課題もあります。例えば、利用できるようにする前に、より大規模な市場と経済的な背景の中で十分に考慮されるように既存のデータセットと組み合わせる必要があります。多くの大企業はそうした作業を行うための堅牢なデータ管理システムを備えていますが、中小規模の金融機関はそうでない場合が多くあります。こうしたシステムを拡充すれば、中小企業も大企業に十分に対抗できるようになるでしょう。

データ管理システムは、複数ベンダーからデータを取り込み、それをクリーニングして関連付け、リサーチ部門からトレーディング、リスク管理、経理部門まで、組織全体で利用可能にするという重要な役割を担っています。

適切なデータ管理システムが整備されていなければ、企業は多くの問題に直面するでしょう。重複したデータセットを購入してしまったり、データ集計のために必要以上の時間とお金を費やしたり、利用可能になりつつある新たなデータのオンボーディングに苦労したりするかもしれません。成功するためには、データを素早く取り込んで他の情報とまとめることが不可欠です。

近年、投資家の注目をますます集めるようになったサステナブル投資は、金融機関が新たに生み出されるデータを理解しようとする中で直面する課題についてのケーススタディを提供しています。新たなESGデータのベンダーが続々とこの分野に進出しています。1つの企業が5-6社のESGベンダーからデータを購入することも珍しくありません。一部のベンダーは企業のためにスコアや指標を提供しますが、数値が合わないことも多々あります。あるいは、衛星画像など新たなテクノロジーを使って熱帯雨林の破壊状況や鉱山事業が環境に与える影響を追跡するベンダーもいます。

金融機関はこれらをすべてつなぎ合わせ、一貫性あるストーリーを伝えるモザイクを組み立てる必要があります。しかしその前に、全てを1カ所にまとめるプラットフォーム上でデータ全体を確認できる能力が必要です。そこで重要なのがデータ管理システムです。データ管理システムは決定を下すのではなく、意思決定者が業務を容易かつ効果的に遂行するために必要なツールを提供します。

急速な変化にも十分に対応できる柔軟性と俊敏性に富んだ、将来も利用可能なデータ管理システムは、企業の規模を問わず必要なものです。

アップグレードを検討中の中小企業は、プロジェクトを自社管理しようとしますが、ベンダーとデータセットの数が急増し続ける中、手ごわい作業になるかもしれません。コストがかさみ、社内にないテクニカルスキルが必要な場合もあります。データ管理の専門知識を持った社外企業に業務委託するという選択肢もあります。

そのようなターンキー・オペレーター(一括で請負うベンダー)であれば、問題を解決するための経験とテクニカルスキルを持っており、ハードウエアとソフトウエアに必要な投資を行うことができます。そうしたベンダーは、データの取得・関連付け・配信のほか、データ・サプライチェーンをモニターして、潜在的な問題を顧客に警告するなど、重要なサービスも提供できます。これには数えきれないほどの責任項目があり、大多数の企業にとっては、経験豊富で信頼できるデータ管理パートナーに任せたいと思うところでしょう。

金融業界では、中小企業でも常にノウハウやインサイトの強みを活かして、成功する道を切り拓くことができます。目まぐるしく変わるデータ要件に遅れることなく進化を続ける柔軟なデータ管理ソリューションがあれば、まだそれは可能です。今こそ、こうした能力を手に入れるチャンスです。

本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。