石油大手のロシア撤退、エネルギー移行に悪影響か

Read the English version published on March 12, 2022.

この分析はブルームバーグNEFBNEF)によるもので、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。

石油・ガス業界のエネルギー移行に悪影響か

石油・ガス大手のロシアにおける炭素集約型事業からの相次ぐ撤退は、個々の生産者にとっての脱炭素目標を達成する上で有益かもしれませんが、世界最大級の国営石油会社(NOC)各社が相互で連携を強めていることは、環境にとって悪いニュースと言えるかもしれません。

石油・ガス産業における炭素排出量上位5社のうち、4社をNOCが占めており、これにはロシアのガスプロムとロスネフチ、中国の中国石油天然気(ペトロチャイナ)と中国石油化工集団(シノペック・グループ)が含まれます。2020年には、上位5社を合わせると同産業全体の炭素排出量の45%を占めています。一方で、2015年から2021年までの同産業の低炭素化投資額においては、この5社の割合は3%にとどまっています。

これまでヨーロッパの石油大手各社は、石油・ガス産業におけるエネルギー移行を主導してきました。仏トタル・エナジーズ、ノルウェーのエクイノール、英シェル、英BP、およびスペインのレプソルによる投資額は、合計で2015年から2021年までの低炭素化技術への同産業全体の70%を占めています。一方で、これら各社の合計で同産業全体の炭素排出量のわずか10%にしかなりません。大手石油・ガス各社が炭素集約型資産をNOCに売却するにつれて、監視が難しくなるととともに、石油・ガス産業における炭素排出量削減が困難になるリスクがあります。

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本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。