Read the English version published on March 9, 2023.
新しい上場投資信託(ETF)が、女性を企業のトップに据えることがより良いリターンに結び付くことを示した。
「ヒパティア・ウーマンCEO・ETF」(ティッカー:WCEO)は最高経営責任者(CEO)が女性の企業に限定して投資する。これまでのところその戦略は奏功しており、約2カ月前の設定以来のリターンは4.8%と、S&P500種株価指数を上回っている。
ヒパティア・キャピタルのCEOで同ファンドのポートフォリオマネジャーを務めるパトリシア・リザラガ氏は「2023年1月以前は、投資家がリーダーシップの観点からポートフォリオのジェンダーバランスを図れるファンドはなかった。女性CEOを擁する米上場企業のパフォーマンスにスポットライトを当てることで、全ての資産クラスで米国の女性CEOの割合を増せればよいと思っている」と述べた。
ジェンダー平等の推進という同様の趣旨を持つ既存ETFの多くは、女性CEOが率いる企業にのみ投資するWCEOほどは徹底した方針を取っておらず、運用成績はまちまち。そうしたファンドで最大級の1億9900万ドル(約273億円)規模の「SPDR・MSCI・USAジェンダー・ダイバーシティー・インデックスETF」(SHE)の年初来リターンは約3%と、S&P500種の3.8%をやや下回る。インパクト・シェアーズ傘下で3450万ドル規模の「YWCAウーマンズ・エンパワーメントETF」(WOMN)は4.3%。同ファンドはジェンダー平等に関する強力なポリシーを持つ企業に投資する。
リターンは好調だが、ヒパティアはまだ、自社のETFにさらなる資金を集めたいと考えている。
リザラガ氏は「当社の運用資産は160万ドルと、他のファンドに比べわずかだ。平等について関心を持ち、発言する財界リーダーや社会的影響力のある人々がポートフォリオを自らの言動に沿って投資し始めた時、われわれは成功を実感するだろう」と語った。
本稿はPeyton Forteが執筆し、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。
本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。