2021年末のLIBOR廃止、延期と見るのは4分の1

本稿はAlexandra Harrisが執筆し、ブルームバーグターミナルに最初に掲載されました。Read the English version published on September 16, 2019.

アクセンチュア Plcが最近行った調査によると、グローバルに展開する金融機関および事業会社の4分の1近くが、2021年末に予定されるLIBOR廃止が延期されると考えていることが分かりました。

世界各国の投資銀行、商業銀行、運用会社、大手多国籍企業など計177社(以下「回答企業」)を対象とした調査では、不正操作問題に揺れたロンドン銀行間取引金利からの移行期限が延期されるとの回答が23%に上りました。また、移行の詳細が不透明であることから、回答企業の半数が各国·地域の規制当局からの救済措置を期待しています。

LIBORを参照するローンおよびデリバティブの残高は350兆ドルに上ります。しかし、英当局は2021年末以降LIBOR算出に使用されるレートの提示を銀行に強制しないと発表しました。これを受けて各国当局は市場参加者に対して、移行プロセスに乗り遅れることがないよう代替指標金利導入の加速化強く求めてきました。これまでのところ、代替指標として使用が期待されるポンド翌日物平均金利(SONIA)や担保付翌日物調達金利(SOFR)を参照する証券の発行は増加していますが、それらを参照する先物やスワップの取引は低調です。また、LIBORを参照する長期の契約に導入されるフォールバック条項の文言も依然として検討段階にあります。

アクセンチュアのファイナンス·リスク·プラクティス部門で規制対応·コンプライアンス改革グループのグローバルヘッドを務めるSamantha Regan氏は「規制当局は、2021年末に各社が一斉に代替指標金利に移行することを強く求めています。一斉に移行ができない場合、市場に混乱が生じるリスクがあるからです。移行する市場参加者と移行しない市場参加者が併存すると、巨大なシステミックリスクが発生する恐れがあります」と語っています。

その他の主な調査結果

  • 調査対象の84%が正式な移行計画を既に実施していると回答しましたが、1年以上前に移行計画をスタートさせていたのはそのわずか3分の1程度でした。また、LIBOR移行の準備が既に整っていると回答した企業は20%のみでした。
  • LIBOR移行に「十分な予算」を割り当て済みあるいはその予定があるとした回答企業は約45%でした。
  • 移行に要する予算が1億ドル未満とした回答企業は約3分の22億ドル以上とした回答企業は13%でした。
  • ほぼ完全な移行計画があるとした回答企業は全体の18%でした。その内、LIBOR廃止および新参照金利への移行を「戦略的ビジネス機会」と捉える回答企業は94%に上り、225bpの増収を見込んでいます。
  • 詳細な移行計画がまだ完成していない回答企業の内4分の3が、LIBOR移行による増収分では移行費用を賄うことはできないと考えています。