Read the English version published on May 8, 2020.
本稿は、ブルームバーグのマーケットスペシャリストの佐藤円裕、永澤拓也、和田ありさが執筆し、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。
背景
上場企業各社は、100年間で最も急激になると予想される新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が引き起こした景気不振に直面しています。
600件以上にのぼる4月の業績発表を機械学習プログラムで選別した米連邦準備制度理事会(FRB)による新たな研究では、今回のパンデミックに対する企業の恐怖心が、金融危機ピーク時の2008年より強いことが明らかになりました。
米国の非金融上場企業の約42%は投資削減を検討し、27%は配当について議論し、17%は融資枠の引き出しに焦点を当てているとエコノミストのAndrew Y. Chen氏とJie Yang氏は結論づけています。前回のリセッション(景気後退)の際は、そのピークでも上記の数字はそれぞれ25%、11%、7%でした。
これは米国だけの話ではなく、世界中の企業が、新型コロナの感染拡大に伴う需要の崩壊、供給の混乱、大国の経済再開の時期をめぐる根強い不確実性という問題に立ち向かっています。
ブルームバーグがアナリストによる業績予想の修正状況を分析したところ、日米欧の商品、輸送、ホスピタリティセクターの企業は今年、パンデミックの影響により業績予想の最も大幅な下方修正に直面しています。
1-3月期(第1四半期)の決算シーズンがおおむね半分過ぎた現時点で、通年の純利益予想が30%以上引き下げられたセクターは、S&P 500種株価指数で7つ、ユーロ・ストックス660指数で11、東証株価指数(TOPIX)で6つとなっています。
- S&P 500種株価指数で利益予想が30%以上引き下げられセクターは、アパレル、自動車、建設資材、エネルギー、ホスピタリティ、旅客輸送、娯楽施設の7セクター
- ユーロ・ストックス660では、航空宇宙、自動車、銀行、設計、ホスピタリティ、産業サービス、エネルギー、旅客輸送、不動産、娯楽施設、非生活必需品小売の11セクター
- TOPIXでは、航空宇宙、自動車、鉄鋼、素材、旅客輸送、輸送機器の6セクター
トラッキング
ブルームバーグ・クエリー・ランゲージを使用すると、該当年の業績についてアナリスト予測が特定の期間にどのように修正されたかを素早く追跡調査し、特に強い打撃を受けたセクターを把握できます。
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