データ分野の高い専門性をESGに応用するブルームバーグの取り組み

Read the English version published on December 06, 2022.

気候、電源構成、社会的平等の現状の再編に向けた取り組みが世界中で続く中、サステナブルファイナンスとESG(環境・社会・ガバナンス)に向けて世界の軸足がシフトしつつあります。ブルームバーグNEFのデータによると、世界のESG資産額は2025年までに運用資産総額予想140兆5000億ドルの3分の1以上に相当する53兆ドルを超える見通しです。

ESG資産の増加に伴い、効果的なESGデータの収集、比較、分析、報告に対するニーズも高まっています。世界中の企業が今、自社のESGデータを社内、株主、外部の規制当局に正確に報告するためにESGデータを自社の事業モデルに統合する必要に迫られています。その鍵を握るのは信頼性の高いデータです。

ブルームバーグのエンタープライズ・データ・コンテンツ統括者Brad Fosterは最近行われた座談会で、ESGデータ管理とパフォーマンスにとって重要な課題は何か、そして各社がそれらに対応する上でいかにブルームバーグが支援できるかについて見解を述べました。

統合と相互運用性

ESGデータセットを社内で既に使用している証券マスターやプライシング、参照値、コーポレートアクションのデータセットと合わせて使うには、データが統合可能かつ相互運用可能でなくてはなりません。

ESGデータは他の既存のデータセットと合わせてもうまく機能する必要があります。しかしESGデータはまだ標準化されていないため、その実現は困難な場合があります。ブルームバーグは、ESGデータを既存のデータと結びつけ、そこから即座にバリューを引き出す方法を見つけ出しました。それには、企業単位であれ金融商品単位であれデータを結びつける共通の識別子と、共通の記号を使います。

データの穴を埋める

変化には多くの場合課題が伴います。そして、資産運用会社にとって最も重要な課題は、特にカーボンフットプリントの情報開示に関して、企業の報告内容が著しく不足していたり一貫性に欠けていたりする点です。

現時点ではまだESGの規制要件を満たしたり投資判断を下せたりする企業報告データが十分に存在しないため、企業報告データだけを頼るわけにはいきません。多くの場合、企業報告データでは足りない分を予想値で補うことになります。

ブルームバーグは、およそ1000データポイントに上る第三者情報提供社からのデータに加え、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)およびブルームバーグNEF(BNEF)に属する700人以上のリサーチアナリストを動員して作成した自社独自のスコアをお客さまに提供します。2022年末までには、ブルームバーグの開示スコアは1万5000社近く、業界特有マテリアリティ(重要課題)スコアは5500社近くを網羅することになります。また、2023年末までには、業界マテリアリティ(重要課題)スコアも1万5000社を対象とする予定です。

信頼できるデータ

資産運用会社は、サステナブルファイナンスの世界で生き残るには、信頼性と透明性の高いデータを作成したり入手したりできることが不可欠だと認識しています。

しかし、おびただしいデータが存在する世界で、さまざまなESGタクソノミー・枠組み・基準、国内外市場において進化し続ける各種規制要件への対応、そしてより精密な洞察に富んだインパクト分析を求める投資家の期待、これらに取り組みつつどうバランスをとればよいのでしょうか。

高品質データ、スコア、データソリューションの独立系プロバイダーであるブルームバーグはこの分野で以下3つの主な方法で透明性を提供します。

  1. 企業状況が反映されたデータ。-ブルームバーグ独自のスコアを算出するための条件として、企業報告データは事業全体の80%以上、従業員全体の80%以上の状況が反映されたものである必要があります。これにより、ブルームバーグはスコア算出に企業の活動を正しく反映できます。ユーザーは、各スコアの根拠となったスコア算出法と企業報告データを確認できます。
  2. 報告ベースおよび予想ベースの二酸化炭素排出量データ。-ブルームバーグは企業が報告する二酸化炭素排出量データを収集しているほか、報告がない企業について複数のモデル化手法を用いて予想値を算出しています。その結果、2010年までさかのぼる10万社以上のデータを網羅しています。ブルームバーグの温室効果ガス排出量予想モデルでは、各予想値の分布状況と信頼スコアを提供します。信頼スコアは、予想値データの質と可用性を示すものです。
  3. 高品質のESGファンド分析データ。-ETFや投資信託における透明性の欠如に対応するため、ブルームバーグのESGファンド分析データは、6万1000件以上のグローバルな投資信託と1万件以上のETFに関し、会社方針から二酸化炭素排出量、資源消費量、廃棄物管理、ガバナンス、ダイバーシティ&インクルージョンに至るまで、中核的なESG要因を幅広く分析対象とし、標準化された客観的なESGデータを提供します。これにより、お客さまは複数のファンドを容易に比較して、それぞれのESG目的と好みに合わせて投資できます。

ブルームバーグが提供するESGデータの詳細については、ブルームバーグの担当者にお問い合わせください。

本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

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