Read the English version published on September 25, 2025.
主要ポイント
- 英国、日本、フランスなど各国で長期債利回りが急上昇し、米国債と株式への需要を圧迫しています。
- 米国30年債利回りが、今年に入り9ベーシスポイント上昇し4.87%に達しましたが、同等の格付けを持つ他の18市場ではそれ以上の利回り上昇を見せています。
- 世界の投資家は、多くの国の長期国債利回りがS&P500種株価指数の益利回りを上回っているため、米国の債券や株式より自国市場を選好する可能性があります。
背景
過去を振り返って見ると、9月は長期債券にとって厳しい月となる傾向がありますが、今年も例外ではなく、月初に米国30年国債利回りが5%に接近しました。今年の債券投資家は、米連邦準備制度理事会(FRB)の独立性低下、政治的混乱、膨張する財政赤字など、さまざまな不安に直面してきました。
フランスでは、フランソワ・バイル首相が議会での信任投票に敗れ、わずか1年余りで3度目の政権交代となりました。その結果、増大する債務負担への仏政府の対応策を巡って、不確実性が一段と高まっています。政策立案者が政府支出とインフレ抑制に失敗している英国については、米資産運用会社フランクリン・テンプルトンは、同国の長期債利回りが今年6%を超えると予想しており、それがさらに債務返済コストの増加につながるとみています。
ブルームバーグ・エコノミクスによれば、イタリアと米国の対GDP比債務返済コストは、フランス、スペイン、英国より一足早く、2034年までに5%を突破するリスクがあります。さらに、日本は先進国の中で最大の債務残高を抱えており、その維持・管理には今後巨額のコストがかかる見通しです。
論点
長期利回りが急上昇すると、住宅ローン、自動車ローン、クレジットカードの金利を押し上げ、家計を圧迫し、経済全体にも悪影響が広がります。海外での利回り上昇も、米国債券需要を冷やす可能性があります。
日本、フランス、英国をはじめとする先進18カ国では、今年に入り30年債利回りが米国より大きく上昇しており、米国の債券や株式需要を圧迫しています。日本の国債利回りは99ベーシスポイント上昇し、英国の国債利回りは9月2日に5.69%を付け、1998年5月以来の高水準に達しました。

9月には、英国、米国、フランスで、30年物国債利回りが上昇し、S&P500種株価指数の益利回りを上回りました。いわゆる「リスクフリーベンチマーク」は異例の高水準にあり、3年続いた株式相場の上昇を受けて、株式バリュエーションに対する疑念を招いています。
追跡
GP機能を使って30年物国債利回りをS&P500種株価指数と比較して追跡する方法は以下の通りです。
- コマンドラインに「gp S&P earnings yield 20Y daily」と入力し、<GO>をクリック
- 「データを追加」欄に「us 30 year」と入力し、「USGG30YR Index- US Generic Govt 30 Yr」(ジェネリック米国債利回り30年)を選択。同様の手順を繰り返して、「GJGB30 Index」(ジェネリック日本利付国債残存30年単利)、「GUKG30 Index」(英国債30年)、「GFRN30 Index」(フランス国債30年)を追加。「標準化」のチェックマークを外す
- [アクション]をクリックして保存。クイック入力は「G #FFM 2366」

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本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。