世界の債券相場が急伸、月間で2008年金融危機以来の大幅な上げへ

本稿はGarfield Reynoldsが執筆し、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。(2023年11月29日)

世界の債券相場は、2008年金融危機以来の速いペースで上昇している。

世界の国債と社債のトータルリターンを反映するブルームバーグ・グローバル総合指数は今月に入り4.9%上昇と、リセッション(景気後退)の最中にあった08年12月に記録した6.2%上昇以来の大幅な上げとなっている。米金融当局や世界の中央銀行が利上げをおおむね終了したとの観測が強まり、上昇に拍車をかけている。

投資家は11月に再び債券に殺到している。世界的な成長鈍化の兆しを受け、トレーダーらは24年中の米利下げを見込むポジションを構築している。米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は28日、「経済を減速させ、インフレ率を2%に戻す上で政策が現在、好位置にあるとの確信を私は強めている」と発言し、こうした動きにさらに弾みをつけた。

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ジェイミーソン・クート・ボンズのシニアポートフォリオマネジャー、ジェームズ・ウィルソン氏(メルボルン在勤)は、「ウォラー氏はタカ派に傾いているメンバーだったため、同氏がハト派的に聞こえる発言をしたことは重要だ」とし、「米連邦準備制度は利上げサイクルをほぼ終了したように思える」と指摘した。

米国債相場は29日に今月の上げ幅を拡大し、10年債利回りは4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の4.28%となり、2年債利回りは5bp低下の4.68%。オーストラリアの債券も上昇し、10年債利回りは14bp低下。豪インフレ指標が予想を下回ったことを受け、トレーダーが利上げの終了を織り込み始めた。

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