ESG規制の順守を包括的なデータとソリューションで支援

Read the English version published on March 30, 2022.

ブルームバーグはAチーム・グループの2022年イノベーション・アワードで「最優秀イノベーティブESGデータ・ソリューション賞」を獲得しました。この賞は、資本市場で新しい先端技術を活用し高価値ソリューションを金融機関に提供するベンダーや実務会社の中から、革新的なプロジェクトやチームに授与されるものです。

Aチームの経験豊かな独立諮問委員および編集部門により、ブルームバーグのESGデータ・ソリューションが選ばれました。

ブルームバーグのサステナブル・ファイナンス規制部門グローバル・プロダクト・マネジャー、Rokhsana Saddighzadehが、ブルームバーグのESGデータ・ソリューションが開発された背景と経緯のほか、同部門が関与するテクノロジーとその利点を解説し、今後の開発計画について語ります。

Aチーム:ブルームバーグでは、どのような問題に対して資本市場における革新的なソリューションが必要だと考えたのですか?

Rokhsana 金融サービス企業が規制順守に向けた取り組みを進める中、ESG開示規制が急速に現実のものとなってきました。EU(欧州連合)はESG規制の先導役となって、サステナビリティ投資を促進し、グリーンウォッシング(見せかけの環境配慮)を防ぐため、サステナブル・ファイナンス開示規則(SFDR)やEUタクソノミーを導入しています。

規制はまだ完成しておらず段階的に導入されることからも分かるように、複雑で広範囲にわたり、各企業が適切に対応していくには困難が伴います。規制で開示が義務付けられるデータやテクノロジーの量は膨大で、金融サービス企業にとって大きな課題となっています。ブルームバーグでは、この課題に対してこそブルームバーグがお客さまへ革新的なソリューションを提供できるものだと判断しました。

Aチーム:市場のこの分野にブルームバーグが注目したのはなぜですか?

RokhsanaブルームバーグがESG規制のためのソリューションを開発したのは、規制当局のニーズと、ひいてはお客さまのニーズという双方に対応したいという考えが発端でした。ブルームバーグは世界中の規制に対応するさまざまなソリューションを備えており、ESG規制分野にも10年以上取り組んできました。ESG要件を満たすためのデータのモデル化は、私たちにとっては当然ながら進むべき次のステップでした。

お客さまにとっても、ひいては私たちにとっても、ESG規制はまず念頭にあり、双方が協働してこの規制準拠に向けた道を歩んでいるところです。

Aチーム: ESG規制への順守という課題にはどのように取り組みましたか?

Rokhsana 規制対応においては、考慮すべき重要な点が二つあります。第一に、ブルームバーグの規制ソリューションは、規制内容に厳密に沿ったものであるべきということです。ブルームバーグ社内の専門家たちは、1000ページ以上に及ぶEUタクソノミーに精通していなければなりません。第二に、ブルームバーグが単独では作業を進めないということです。お客さまや規制当局、その他業界専門家など、商品開発プロセスにとって不可欠な方々との協働が欠かせません。こうした手法を用いることで、私たちは市場ニーズと規制要件を同時に満たすことを実現しているのです。

Aチーム:ブルームバーグのESGデータ・ソリューションの利点は何ですか?

RokhsanaブルームバーグはEUタクソノミーとSFDRの要件に対応するデータ・ソリューションを提供しています。EUタクソノミーに関して、ブルームバーグは会社発表値を提供しています。とはいえ、企業の報告状況はまだ拡大中で限定的です。そこで、私たちがすでに扱っている広範にわたる企業のファンダメンタル・データも幅広く活用し、最大4万5000社の推定値をブルームバーグで算出しています。これによりEUタクソノミーに関して限定的だった会社発表値が補完され、金融機関のお客さまは投融資の際に各企業のESG概要をより正確に把握できるようになりました。

SFDRについては、ブルームバーグは、「主要な負の影響」(PAI)に関する指標の開示が少ないという課題について投資会社のお客さまを支援しています。この点において有意なデータを現在開示している企業は多くありません。ブルームバーグは世界中の1万2600社についてこれらPAI要件をESGデータにマッピングしています。

SFDR評価においてもう1つ鍵となるのは、ポートフォリオのカーボン・フットプリント(二酸化炭素排出量)を把握することです。ブルームバーグは、2010年までさかのぼり、世界で5万社の上場・非上場企業の二酸化炭素排出量に関する会社発表値とブルームバーグ推定値を組み合わせて提供しています。ブルームバーグ独自の機械学習モデルでは800件以上のデータポイントを活用して、スコープ1と2の排出量の報告値がない企業の推定値と、特定の業界セクターにおけるスコープ3排出量の推定値を算出しています。さらに、ブルームバーグのGHG排出量推定モデルではデータ分布と信頼スコアを提供しているため、各推定値の質と可用性を把握できます。この手法により、より保守的な推定値を適用できるようになり、企業にとっては情報開示の促進につながります。

ブルームバーグのESG規制データ・ソリューションは、会社発表値の提供にとどまるものではありません。お客さまは企業のESG概要や自らの投資における環境配慮の程度に関して幅広い知見を取得し、今まで以上に情報に基づいた判断を下せるようになります。

Aチーム:来年のソリューション開発について計画をお聞かせください。

Rokhsana 来年の開発計画は3つの分野に焦点を絞ったものとなります。変革が続く規制要件にデータ・ソリューションを合わせていくことがまず優先されます。例えば、EUは最近、タクソノミーに原子力エネルギーを含めるという補完的な法案を発表しました。これが施行されれば、ブルームバーグはデータモデルを調整することになります。これにより、ブルームバーグのソリューションは常に規制要件の変化に対応しているものとして、お客さまに安心してご利用いただけるようになります。

ESG規制の道程は始まったばかりで、これから世界中で新たな規制が増えていくことは避けられません。英国金融行為規制機構(FCA)はすでにサステナビリティ開示の枠組みを開発中ですし、欧州中央銀行(ECB)は気候変動リスクに取り組んでいます。私たちはこうした規制の動きに対して常に先手を打つつもりです。

最後になりますが、ブルームバーグは、参照データ、リサーチデータ、価格データといった各企業に関する既存の財務データにひも付けられた、堅牢性の高い企業別ESGデータに基づいて、規制順守のための強力な基盤の構築を続けていきます。進化し続ける規制に企業が順守し、リスクを低減し、投資家需要を満たすためには、ESGを既存のデータ戦略に取り入れなくてはなりません。

Aチーム:ブルームバーグにとって今回のイノベーション・アワードの受賞はどのような意義がありますか?

Rokhsanaブルームバーグは長年にわたって規制分野に取り組んできました。お客さまの規制順守を支援し、知見の拡大や効率改善に役立つデータ・ソリューションを提供することは、私たちのDNAに組み込まれています。

このAチーム・グループによるイノベーション・アワードは、ESG開示要件を満たすためのブルームバーグの取り組みや能力が認められたのだと認識しています。

この記事は「Aチーム・インサイト」より転載しています。

本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。