企業各社、コロナ禍後のサプライヤーネットワークを見直し

Read the English version published on July 14, 2022.

本稿はKyunghee Parkが執筆し、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって世界のサプライチェーンが一変し、輸送や生産の中断を最小限に抑えるために複数の場所から商品を調達しようとする企業が増えています。

韓国のシンクタンク、韓国海事研究所の国際ロジスティクス分析チーム統括、Choi Na Young Hwan氏は、「ジャスト・イン・タイム(必要な時に必要なだけ)」から「ジャスト・イン・ケース(万一に備えて)」へと考え方が変化していることは、製造業者が単一サプライヤーへの依存を減らすため調達先を複数に分散しようとしていることからも明らかで、その結果もっと多くの倉庫が必要になるとみています。

先日釜山で行われたインタビューで、Choi氏は「運送費や物流費が少なくてすむ時代は終わりました」と述べています。「企業は、予期しない事態が発生した場合に備えて、在庫を増やしたいと考えているのです」

この2年間、世界中の港湾では船の荷役作業員や配送トラック運転手が不足し、コンテナがターミナルに山積みとなるなど、混乱に見舞われてきました。2021年には、アジアの輸出業者が限られた船腹量を使って欧米の顧客に向け競って貨物を輸送しようとしたために運賃が過去最高水準まで高騰しました。

中国は長年にわたり世界の工場となってきましたが、混乱を最小限に抑えるために複数のソリューションを求める企業が増えているとChoi氏は言います。

同氏はまた、世界のサプライチェーンはコロナ禍後も非常に脆弱な状況にあるため、混乱は来年も続き、規模を問わず少しでも異変が生じれば物流が影響を受けるだろうと警鐘を鳴らします。世界で最も混み合うコンテナ港がある上海で2カ月のロックダウン(都市封鎖)が解除されれば混雑の緩和改善に寄与すると予想されていましたが、問題は港湾で荷揚げを待つ期間が増えている欧州に移ったにすぎないと同氏は言います。

一方、ウクライナでの戦争により、ロシア関連のコンテナが欧州の一部の港に滞留してバックログ(積み残し)を引き起こし、アジアの輸出業者が利用できるコンテナの流れが阻害されているとChoi氏は言います。ドイツの港湾労働者らは今月初めにストライキを行い、主要港湾のコンテナヤードでの圧力が高まりました。

市場情報提供社のVesselsValue Ltd.によれば、ドイツのブレーマーハーフェン港におけるコンテナ船の平均待ち時間は、2週間前の18時間から先週は33時間に増加しました。Kuehne + Nagel International AGによれば、4月と5月には欧州発アジア行き航路で約60%の船舶に遅延が生じ、6月17日時点で13隻の船がロッテルダムへの入港を待っています。

米国では、西海岸の港湾労働者約1万5000人を代表する国際港湾倉庫労働組合と、同地域の29港および約70社の企業で構成される太平洋海事協会との間で労働協約がこの夏に失効することを受け、先月労使交渉が開始しました。韓国ではトラック運転手らが7日間にわたるストライキで生産に大きな混乱を引き起こしていましたが、先週から職場復帰しました。

「事態は、よくなると思った矢先に思いがけないことが起きて悪化するものです」とChoi 氏は言います。「このような問題は一夜のうちに解決できるものではありません。混乱が長引くほど、問題の解決には時間がかかるでしょう」

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本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

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