2023年に注目される 気候テックのスタートアップ企業

この分析はブルームバーグNEFBNEFによるもので、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。

ブルームバーグ・ニュー・エナジー・パイオニア賞2023の受賞者が417日に発表されました。この賞は、毎年恒例のコンテストを通して、世界の脱炭素化を加速し、気候変動を食い止める可能性を秘めたゲームチェンジャーとなるテクノロジーやイノベーションに贈られるものです。この記事では、今年の受賞企業12社を紹介して、それぞれのテクノロジーの仕組みと各社の成熟度、受賞者決定おけるBNEFによる選出理由について説明します。

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  • BNEFでは当コンテストを2010年から毎年開催しています。今年の受賞者も含め、141社がこれまでに賞を勝ち取っています。これらの企業が調達した資金は累積149億ドル(約2兆1800億円)に上ります。2023年には、42カ国348社からの応募がありました。
  • 課題1-クリーン水素の普及加速:この部門で受賞したのは、水素生産のための電解層技術を開発するSungreenH2(電極技術)とH2Pro(電気化学および熱活性化電気分解)、ならびに水素を燃料とする機器製造のMainspring Energy(リニア発電機)でした。
  • 課題2-持続可能な金属と、電化された未来のための素材:金属部門で受賞したのは、新たな金属抽出方法を開発するJetti Resources(触媒を使って過去に使用しなかった鉱石から銅を回収)と、バッテリー再利用のLi-Cycle(湿式製錬プロセス)、および金属加工のNth Cycle(電解抽出プロセス)でした。
  • 課題3-ネットゼロの食品生産システム構築:農業部門で受賞したのは、作物栽培改善方法を開発するPrecision AI(除草剤散布用ドローン)、低炭素タンパク質を生産するMicroHarvest(タンパク質の微生物発酵)、動物からの排出量低減を目指すFutureFeed(海藻を原料とした飼料)でした。
  • ワイルドカード:ワイルドカード部門は上述の課題以外のあらゆる気候テック関連イノベーションを対象とします。今年は、電気化学を新たな方法でセメントに応用するSublime Sytem(石灰生産プロセス)、製鉄のElectra(低炭素製鉄)、炭素除去のTravertine(酸と塩基生産)が受賞しました。

ブルームバーグの主要なリサーチサービスであるBNEFは、クリーンエネルギー、先進輸送技術、デジタル産業、革新的な素材、コモディティなどを対象としており、企業の戦略、財務、方針の専門家がそれぞれ変化に対応し、機会を生み出すための支援を提供しています。その他のコンテンツはBNEFブログをご覧ください。

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