Read the English version published on August 3, 2020.
本稿はJunfeng Yang、Joy Nieが執筆し、ブルームバーグターミナルに最初に掲載されました。(初出2020年8月3日)
中国株式市場では、配当の重要性が注目を集めています。株式スクリーニングで6年連続増配の企業を抽出してみると、これらの銘柄は2015年7⽉以来のリターンでベンチマークを53ポイント上回ったことが分かりました。ブルームバーグの注⽬ファクター(FTW)機能を利⽤すれば、配当が株価リターンに与えた影響を分析できます。次に株式バックテスト(EQBT)機能を実⾏すると、継続的に増配している企業について過去の株価リターンを調べることもできます。
FTW<GO>と⼊⼒して、注⽬ファクター機能を実⾏
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的⼤流⾏)に⻭⽌めがかからず世界中で⾦利引き下げが実施される中、⾼配当を維持できる株式銘柄の魅⼒は今後も増すばかりでしょう。中国には配当貴族銘柄の指標となる株価指数は存在しませんが、上海の野村東⽅国際証券が⾏った分析では、6年連続で増配を実施した中国企業の株価が(インデックスを)アウトパフォームしていることが⽰されています。
- まず注⽬ファクター機能で中国における配当の重要性を確認するには、コマンドラインに「factors」と⼊⼒し、オートコンプリートメニューから「注⽬ファクター」を選択。クイック⼊⼒は「FTW」。
- 画⾯左上にあるアンバーの⼊⼒欄をクリックし、スクロールして「SHSZ300 Index – Shanghai ShenzhenCSI 300 Index」を選択。
- 「スタイル」項⽬下部のアンバーの⼊⼒欄をクリックして「PORT」を選択し、ブルームバーグのポートフォリオ&リスク分析機能(PORT)で使⽤されている10種類のコンポジット指標を分析。
- 項⽬ヘッダーの「7年リターン」をクリックしてランキングを表⽰。
過去7年において配当利回りファクターのリターンが54%でトップだったことが分かります。リターン算出のためポートフォリオをシミュレーションし、定期的なリバランスにおいて、アロケーションの20%で配当利回りの上位銘柄をロングし、同様に20%で配当利回りの下位銘柄をショートします。
「Dividend Yield」の⾏をクリックすると、直近のリバランス時に配当利回りが上位20%に⼊った銘柄が確認できます。華夏幸福基業投資開発のような不動産開発・建設業銘柄がコモディティや⾦融銘柄と並び、上位を占めている点が注⽬されます。
配当プロフィールの詳細分析は以下の⼿順で実⾏。
600340 CH Equity BDVD<GO>を実⾏して華夏幸福基業投資開発の配当予想を表⽰
テーブルの1⾏⽬(600340 CH Equity)をクリックすると、華夏幸福基業投資開発のティッカーが画⾯に読み込まれます。コマンドラインに「dividends」と⼊⼒し、オートコンプリートメニューから「DVD」を選択。同社は14年以降増配を継続。「bloomberg dividends」と⼊⼒し、オートコンプリートメニューから「BDVD」を選択。クイック⼊⼒は「600340 CH Equity BDVD」。
ブルームバーグのアナリストは、同社が21年7⽉に配当を1.85元まで引き上げ、今後3年間で34%の増配を達成すると予想しています。従って同社の場合、配当貴族の称号を維持できる⾒通しです。⽶国S&P500 配当貴族指数は、25年連続で増配している銘柄で構成されています。ただし中国の場合、配当貴族銘柄のパフォーマンス測定において、中国株式市場の歴史が浅いことを考慮し、抽出対象を6年連続で増配した銘柄としています。
中国の配当貴族銘柄のスクリーニング
- コマンドラインに「equity screen」と⼊⼒してオートコンプリートメニューから「株式スクリーニング」を選択。クイック⼊⼒は「EQS」。
- 「条件追加」欄に「csi 300」と⼊⼒し、「SHSZ300 Index」を選択。
- アンバーの検索欄に「dividend per share」と⼊⼒し、選択。
- グレーの[成⻑]ボタンをクリックしてウィザードを開き、時系列ベースのカスタム数式を構築。
- 「プラス成⻑の期数」を選択し、[次へ]をクリック。
- 「サンプリング頻度」を「年次」に設定し、スクロールバーを「Y-6」までドラッグして[更新]ボタンをクリック。
- 「条件追加」欄を「同等」に設定し、その下に表⽰される欄に「6」と⼊⼒。
- ⾚⾊のツールバーにある[アクション]ボタンをクリックし、「中国貴族銘柄」という名前で保存。 クイック⼊⼒は「EQS /SAMPLE 17241137」。
- ⾚⾊のツールバーにある[バックテスト]ボタンをクリック。
株式バックテスト・モデル・ビルダー
- 株式バックテスティング:モデル・ビルダーで「分析期間」をクリックし、「スタート⽇」欄に「5」年間と⼊⼒。「リバランス頻度」は「⽉次」を選択。[更新]をクリック。今後、このEQSバックテストが毎⽉の⽉末に実⾏され、仮想ポートフォリオがリバランスされる。
- 「分析パラメータ」をクリック。「ウエート・スキーマ」を「時価総額」に設定。「 ベンチマークを使⽤」を選択。右側のアンバーの⼊⼒欄に「csi 300」と⼊⼒し、「SHSZ300 Index」を選択。「通貨」を「CNY」に変更。[更新]をクリック。
- 画⾯下部にあるグレーの[モデル実⾏]ボタンをクリック。
- モデル名を「China Aristocrats 5Y」として保存。[保存&実⾏]をクリックし、[OK]をクリック。
- バックテストが完了すると、MSG機能でメッセージが配信される。クリックして結果を表⽰。
株式バックテスティング: 結果
過去5年間でCSI300指数数全体のトータルリターンが37%であるのに対し中国の配当貴族銘柄のトータルリターンは90%。グレーの[カウント]タブをクリックして、配当貴族銘柄数の増加状況を確認。[銘柄分析]タブをクリックすると、現在の配当貴族銘柄⼀覧には、⾦融、ヘルスケア、消費銘柄が含まれることが分かります。