株式・マルチアセット戦略に必要な透明性の向上

Read the English version published on November 16, 2020.

この記事はブルームバーグのインデックス・プロダクト・マネジメント部門ヘッドAlan Campbellが執筆しました。

近年、投資家にとって利用可能なデータや金融商品の規模と種類が増え続ける中、それぞれの市場に対するベンチマーク評価がますます難しくなっています。企業構造の変化に加え、特にESG(環境・社会・ガバナンス)など新たなファクターが普及するにつれて投資可能なユニバースの拡大が続いており、従来型のインデックスサービスは追跡対象の市場を正確に反映できるように順応する必要性に迫られています。

インデックスには、秩序だったバイアスのないクリーンなデータが必要です。それがなくては、ベンチマークを上回るリターンを狙う戦略の構築に欠かせない、価格情報やリターン算出の透明性を追求できないからです。インデックスプロバイダーにとって根本的な課題は、いかに正しいデータにアクセスするか、そしていかにそこから洞察を得るかということです。ただし、近年データフィードやデータ形式が爆発的に増えていることから、インデックスプロバイダーが正しい情報へアクセスし、その中から利用可能で信頼できるデータを見極めることはますます難しくなっています。

こうした昨今のジレンマを顕著に表しているのが、雪だるま式に拡大しているESG投資市場でしょう。ブルームバーグの推定ではESG要素が1つ以上ある資産への投資額は約30兆ドルとみられます。しかし、これら一連のESGファクターはまだ新しく、どれが基準に準拠しているのかを評価するグローバル標準はほとんど存在しません。さまざまな測定方法が開発されているものの、それぞれ別個の手法を基にしているため、比較もできません。そのため、指数算出会社が信頼性の高いESGインデックスを集計したり、運用会社や助言会社、投資家がポートフォリオを構築したりすることが困難になっています。

ニーズへの対応で進化するインデックス

こうした異なるアセットクラスにわたり共通する尺度へのニーズに対応するため、ブルームバーグではこのたび、既存の米国株価指数ファミリーを拡大、債券とコモディティ市場以外にも目を向け、23カ国の先進国市場を取り入れました。これにより、新たな株式エクスポージャーを作成したり詳しく分析したりできるほか、マルチアセット戦略の運用実績を測定するのに役立ちます。

ブルームバーグの拡張された株価指数サービスでは、時価総額にして50兆ドル以上に相当する先進国の投資可能ユニバースからデータを集計しています。ブルームバーグ ターミナルのポートフォリオ&リスク分析(PORT)機能を通じてアクセスできるため、一連のベンチマークをすぐに取得して、それぞれの顧客ニーズに合った無数とも言える手法に応じて分析や分類ができます。すべてのインデックス・ファミリーを確認するには、ブルームバーグ ターミナル上で IN <GO> を実行します。

新しいインデックスの構築

すべてのブルームバーグのインデックスは、資本市場に関する一貫して信頼性の高い専門知識とデータの裏付けにより構築されています。インデックス分析に、業界屈指のアナリストチームが開発したインデックス、リスクモデリングに関する実績ある専門知識、リアルタイムのニュースフィード、そして最適化ソリューションを組み合わせれば、最適なリスク・リターン特性を識別し、詳細にわたって把握することが可能です。

これと同じ最適化プロセスをカスタムプロダクトに適用すると、ブルームバーグの債券・株式・コモディティの各インデックスを基に、株式とマルチアセットのいかなる組み合わせのポートフォリオに対しても、ベンチマークとして使用できるインデックスを提供できます。カスタムインデックスは、完全に新規作成することも、既存のベンチマークに基づいて作り変えることも可能です。後者の場合、ウエートを変更するフィルターを追加したり、リターン目標にとって妙味のない特徴を持つ銘柄を削除したりできます。

各インデックスを支えるこのエンジンは上場投資信託(ETF)にとっても付加価値があります。幅広いデータ(自社独自のテーマ別情報も含みます)を用いてカスタムインデックスを構築できるためです。これは、分散投資型ポートフォリオの構築のために信頼できる新たなインデックスを求めている、成長が続くリテール市場にとって不可欠でしょう。同様に、ブルームバーグのマルチアセット・インデックスには、債券や株式、コモディティだけでなく、ビットコインのようなデジタルアセットさえ取り込むことが可能です。

一貫性のあるポートフォリオとベンチマーク分析に基づいたベンチマークやシステマティック戦略、カスタムソリューションの提供で、お客さまがより一層興味深いアイデアを検討できるようになり、業界水準の引き上げに一役買うことになります。インデックス構築に使用するデータの透明性と信頼性を実現することは、新たな基準の設定に向けた最初のステップと言えるでしょう。