ブルームバーグ2021年上半期買収合併市場レビュー

本稿は、グローバルデータ部門アナリスト 郭 軼倫 が執筆しました。(2021/7/2)

市場概況

ブルームバーグの2021年6月30日までのデータによると、2021年上半期に日本企業が関わったM&A案件総額は前年同期比105.9%増の1348億米ドルでした。10億米ドル以上の大型案件が21件となり、前年同期より14件増えています。海外企業や資産を対象とした日本企業によるアウトバウンドM&A案件の総額は前年同期に比べ221.6%増の673億米ドルとなり、日本企業や資産を対象としたインバウンドM&A案件は前年同期比153.4%増の172億米ドルとなりました。

アドバイザーランキング

2021年上半期の財務アドバイザーランキング(金額順)ではトップのゴールドマン・サックスに続いて、バンク・オブ・アメリカとJPモルガンが2位と3位になりました。パナソニックによるブルーヨンダーの買収、日立製作所によるグローバルロジックの買収など50億米ドル以上のアウトバウンド案件が目立っています。

法務アドバイザーランキングは、案件数順では常連の四大法律事務所(西村あさひ法律事務所、森・濱田松本法律事務所、アンダーソン・毛利・友常法律事務所、長島・大野・常松法律事務所)がトップに立ちましたが、金額順では、前述のアウトバウンド買収案件を手掛けた、デービス・ポークが1位、西村あさひ法律事務所とアンダーソン・毛利・友常法律事務所が2位と3位になっています。

ブルームバーグターミナル上の機能MA <GO>でアドバイザーランキングを確認することができます。地域や期間、案件タイプを絞り込んでカスタマイズすることが可能です。

スタートアップ企業の資金調達

ブルームバーグは2019年から日本市場における非上場企業のM&A案件を積極的に収録しています。特にスタートアップ企業の資金調達(通称ベンチャーキャピタル案件)の案件数は前年通期と比べて既に5倍になりました。

出所:ブルームバーグ

ブルームバーグターミナル上の機能MA <GO>を利用し、スタートアップ企業へのベンチャーキャピタル案件やマーケットのトレンドを確認することができます。

出所:ブルームバーグ

2020年上半期は、コロナウィルスの影響により事業存続に不安を抱えるスタートアップが多い中、それら企業の先行きの不透明性によりベンチャーキャピタルによる投資も2019年下半期より一旦落ち込みました。しかし、その後は、金余り状況のなか投資先を求めるベンチャーキャピタルによる投資が回復、上半期のみを見ると日本企業関連ベンチャーキャピタル案件総額は2年連続で増えています。投資対象となっているスタートアップ企業の中にテクノロジー業種がメインとなっています。

出所:ブルームバーグ
出所:ブルームバーグ

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