本稿はブルームバーグのIPOデータアナリストJulie Chien、プライベート・エクイティ・データ・アナリストJaesuk Moonが執筆し、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。ターミナルユーザー様は、こちらからも本記事をお読みいただけます。(2023年9月25日)
【背景】
傘下の英半導体設計会社アーム・ホールディングスの米ナスダック上場は、過去2年間の投資事業で巨額損失を負ったソフトバンクグループにとって万能薬とはならないだろう。
ソフトバンクGが90%の株式を保有するアームは14日、新規株式公開(IPO)により52億ドル(約7700億円)と、米国預託証券(ADR)で2015年以来最高額となる資金調達を果たした。長引く高金利が世界景気の足かせとなっている中、ソフトバンクGは手元資金を拡大できるだろう。とはいえ、億万長者の孫正義氏社長が率いる同社は24年に233億ドルの債務が償還期限を迎える予定で、人工知能(AI)株の高騰が効力を維持してくれることに大きく依存している。
【課題】
ブルームバーグのIPO機能、BI機能、DDIS機能、PE機能を使用して各種銘柄を分析する。
IPO SUでIPOの動向を追跡 Source: Bloomberg
IPOの動向を追跡する方法は以下の通り:
- コマンドラインに「ipo」と入力し、「IPO – 株式公募」を選択
- 赤色のツールバーにある[アドバンス検索]をクリック。クイック入力は「IPO SU <GO>」
- 「発行条件」の下にある「証券タイプ」を選択し、「米国預託証券(ADR)」にチェックマークを入れる。[更新]ボタンをクリック
- 「発行状況」をクリックし、「保留」、「承認済」、「プライシング済」、「トレーディング」にチェックマークを入れる。[更新]ボタンをクリック
- 「期間」をクリック。「期間」を「カスタム」に設定し、下に表示される欄で「01/01/2015」から「09/19/2023」までを指定。「発表日」にチェックマークを入れる。[更新]ボタンをクリック
- 画面右下の[結果]ボタンをクリック
アームのIPOは、少なくとも過去8年の米国預託証券(ADR)では最大の調達額で、9月19日時点で株価は19%値上がりしている。一方で、調達額2位の中国配車アプリ大手の滴滴(ディディ)グローバルもソフトバンクGが株式を保有しているものの、21年6月の上場以来、株価は76%下落している。アームのIPOによる調達資金によって、ソフトバンクGは手持ち現金を増やし、他の投資案件で生じた損失を補填(ほてん)できる。
「現時点で注目すべきなのは、その手持ち現金をソフトバンクGが賢明な投資に充当し、時価純資産(NAV)の伸びを取り戻せるかどうかということだ」と、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のマービン・ロー氏は述べた。同氏はその上で「同社の経営陣によると、AI関連投資に注力するとのことだが、人気セクターとはいえ、ビジネスリスクも極めて高い恐れがある。ソフトバンクGの出資先で、シェアオフィス事業を展開する米ウィーワークや、滴滴のように、損失を負うことになる投資に手を出せば、同社のNAVに大きな痛手となるだろう」と指摘した。
ターミナルユーザーさまは、上記の他にも、ソフトバンクGの投資収益トレンド、債務償還年別残高、投資コミットメントを追跡する方法など含めた全文を、こちらからをご覧いただけます。