アップルのスマホ出荷台数首位転落で、サプライチェーンに波紋広がる

Read the English version published on April 25, 2024.

この記事はブルームバーグのマーケット・スペシャリスト、Jeffrey Hernandezが執筆し、英語版はブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。

背景

米アップルは、1-3月(第1四半期)に世界最大のスマートフォンメーカーとしての座を失い、その出荷台数の減少が、サプライチェーンにも衝撃を与えています。

市場調査会社IDCが最近発表したデータによると、アップルが第1四半期に出荷したスマートフォン、iPhone(アイフォーン)の台数は前年同期比で10%近く減少しました。米国の半導体製造事業への440億ドル(約6兆9000億円)の投資を計画している世界最大のメモリー半導体メーカー、韓国サムスン電子が世界トップの座を奪還し、中国のライバルも市場シェアを拡大しました。中国におけるアップルのiPhoneの出荷台数は第1四半期にはさらに低迷し、19%減少となりました。中国では市場規模が約1.5%拡大しているにもかかわらず、アップルの市場シェアは3位に転落しました。

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論点

iPhone出荷台数に関するアナリストのコンセンサス予想は、3月末までの四半期で5170万台、最低予想は4310万台となっています。IDCの速報値によると、同社は年初からの3カ月間で5010万台のiPhoneを出荷しました。出荷台数が前年同期比で9.6%減少したことは、2022年に新型コロナウィルスによるロックダウン(都市封鎖)でサプライチェーンが混乱して以来、最も大きな落ち込みになるだろうと、IDCのリサーチャーは述べています。

アナリスト予想によると、アップルのiPhone予想販売台数は、今後数四半期は前年同期比で横ばいとなると見られています。その一方で、サムスンと中国のレノボ・グループ(聯想集団)のスマホの四半期売上高は、力強い成長を続けてくと予想されています。 中国のライバル企業の復活と、中国政府による外国製デバイスの職場への持ち込み使用禁止措置が、アップルの売上高減少に大きく影響していると思われます。

そのため、アップルの主要サプライヤーの株価も暴落しています。iPhoneを受託製造する台湾の鴻海精密工業は、売上高の55.4%をアップルから得ており、同社の株価は1日で4.8%下落しました。

追跡

最新のインタラクティブ計算機機能で強化されたMODL機能を活用して、アップルの出荷台数の減少が売上高とサプライチェーンに与える影響を数値化することができます。

本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

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