Read the English version published on April 11, 2025.
本稿は、ブルームバーグ・インテリジェンス（BI）のシニア業界アナリスト、Rob Barnett、Patricio Alvarezが執筆、Alessio Mastrandreaが分析を担当し、ブルームバーグターミナルに最初に掲載されました。
ブルームバーグ・インテリジェンス（BI）の分析によれば、たとえ中国のAnt GroupやAIスタートアップDeepSeekが電力効率を改善したとしても、米国のデータセンターによる電力需要は2025年に20～40％急増し、2026年から2030年にかけても2桁台の堅調な成長が見込まれています。こうした電力需要の急増は、First SolarやEnphase、ドイツのRWEなど、再生可能エネルギー関連企業の収益予測を押し上げる可能性があります。
効率化の影響は限定的か
AIデータセンターの電力需要は、効率的なアルゴリズムやプロセッサの導入で最終的には抑制される可能性もあります。Ant Groupは3月24日、中国製半導体を用いた新たなAIモデルの構築により、コストを約20％削減できると発表。同様に、エネルギー消費量の削減も見込まれるとしています。
DeepSeekが開発した新しいアルゴリズムも、AIによる電力消費の拡大抑制に寄与する可能性があります。ただし短期的には、ツールの急速な普及が効率化の効果を上回る可能性もあります。
米国データセンターの需要はさらに拡大へ
仮にAnt GroupやDeepSeekの効率向上策が進んでも、米国のデータセンター需要は2032年までに最大で4倍、より楽観的なケースでは10倍に成長する可能性があります。これにより、米国全体の電力需要に占める割合は7％から最大20％にまで拡大する可能性があります。
データセンターやクラウド基盤の構築が進むにつれ、電力需要は今後も増加傾向にあると見られます。BIのグローバルテクノロジーチームの試算によれば、生成AI関連支出は2032年までに1.8兆ドル規模に達する見込みです。
太陽光発電の役割と回復の見通し
2024年、太陽光発電業界全体の売上は2012年以来初めて減少に転じましたが、データセンターからの需要が2025～2026年にかけて反転回復をけん引する可能性があります。First Solarは、今年も競合を上回る成長ペースが見込まれ、売上は30％増加の可能性があります。他の太陽光企業も同様に、2桁成長が期待されています。
メタ、マイクロソフト、アマゾン、アルファベットといった米国のAIハイパースケーラーは、ESGおよびサステナビリティ目標を掲げ、再生可能エネルギー（太陽光・風力・蓄電）を積極的に採用する動きが加速すると見込まれます。
欧州の再エネ企業も恩恵
RWEやEngieなどの欧州の電力会社も、米国の電力需要増大による波及効果を受ける可能性があります。こうした企業は2025～2027年に再生可能エネルギー設備を年10～15％のペースで拡大する計画を進めています。
英国の情報サービス会社DC Byteによれば、今後も米国がデータセンター最大市場であり続ける見通しで、建設・計画中の施設を含めると、今後3～4年で150％以上の成長が予測されています。
このような動向により、再エネ供給企業は販売量増や価格上昇の恩恵を受ける可能性があり、一方で電力インフラ拡張に向けた投資は、National Grid（英国）やIberdrola（スペイン）などの設備投資を押し上げる要因となるでしょう。
First SolarのEBITDA利益率は同業他社を大幅に上回る
First Solarのモジュール生産はグローバルの同業他社大手に出遅れる
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本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
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