2022年上半期サステナブルファイナンス市場の見通し

Read the English version published on Jan. 24, 2022.

2021年のサステナブル債発行額は1兆6000億ドル超と過去最高を記録し、時価総額は4兆ドルを突破しました。この成長の背景には、さまざまなイベントの中でも特に国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)がありました。COP26では、気候関連資金を政府から民間・公共セクターに投入するという新たな誓約が行われ、「グラスゴー・フィナンシャル・アライアンス・フォー・ネットゼロ」(GFANZ)のようなイニシアチブを通して民間企業が団結しました。ESG関連の金融商品や利害関係者からの賛同が増えていることを踏まえ、タクソノミーなどの政策を用いた市場標準化の手法が世界各地で盛んに検討されています。

  • グリーンボンドの発行額は2020年から2021年にかけて倍増し、時価総額は6200億ドルを突破しました。ソーシャルボンドおよびサステナビリティボンドの発行額は2021年に過去最高の4000億ドルへ達し、特に国際機関債を中心に政府債が発行をけん引しました。ただし、ソーシャルボンドの募集は2021年上半期に比べ下半期は減少傾向でした。これは主に、新型コロナ救済措置向け資金調達の大型案件が終了したことによります。
  • 2021年のESG関連ETFへの資金流入額は1280億ドルと、過去最高を記録しました。ただし、現時点では「サステナブル」の基準に一貫性がなく、より厳密な定義付けが求められます。こうした基準を導入する変化が世界中に広がり、タクソノミーを設定する「タクソマニア」の動きにつながりました。まずEUが先陣を切ってサステナブル活動の定義付けにタクソノミーを採用すると、EUに倣って英国やシンガポール、南アフリカなどが各国独自の分類システムを確立しました。
  • 脱炭素への移行事業を使途として発行されるトランジションボンド(移行債)の枠組みを用いた資金調達は、普及が大幅に滞っています。これは、発行体が意図を明確に示していないことや、投資家がグリーンウォッシングの疑いを抱いていることに起因します。トランジションボンドに替わり、二酸化炭素排出量が多い業種により広く使われている手法はサステナビリティ・リンク・ボンドで、2021年にはESG債券市場において最も急速に成長しました。これら2種類の債券を合わせた発行額は5300億ドルを上回り、2020年の募集額の4倍に達しました。

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本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。