規制変更をいち早く検知して適切にリスクを管理するために

流動性、規制、会計開示を取り巻く環境は複雑さを増すばかりです。ブルームバーグの規制・会計関連サービスは、リスク、コンプライアンス、資産管理、保険会計をはじめとする財務部門の皆さまをナビゲートし、規制対応をスムーズに進められるよう、お手伝いいたします。

ブルームバーグのソリューションは、法令順守負担を軽減するためお客さまの社内データ資本の活用を促しつつ、使用データの規制対応をも確保するものです。高品質なデータを複数の社内システムに届け、全社レベル、ポートフォリオ単位でも適切なリスク管理が可能となります。また、ブルームバーグターミナルと統合された同一のデータを使用するため、リスク部門やコンプライアンス部門にとってはデータの一貫性が保てるという利点があります。

新規制の順守に
必要なリソースを
提供

世界で過去10年間に導入された数々の規制を受け、全トレードライフサイクルを通じたコンプライアンスの必要性が高まっています。規制当局は、取引前分析の実行、取引の透明な執行、取引後チェックの実施を企業に要求しています。

バーゼルIII:担保対象銘柄特定ソリューション
バーゼル銀行監督委員会の銀行資本規制「バーゼルIII」は、銀行が保有義務を有する担保のレベルと種類に加え、中央清算されない店頭デリバティブ取引の担保を適時かつ正確に分別管理する仕組みについても世界標準を定め、これを義務付けています。

中央清算されない店頭デリバティブ取引に関し、世界各法域の証拠金ルールが定める適格担保要件はさまざまです。ブルームバーグの担保対象銘柄特定ソリューションは、こうした要件を洗い出して分類した上でその順守を確保していく効率的なツールです。本ソリューションは、規制要件、規制ノウハウ、業界からのフィードバックを結集することで、業界全体で標準的かつ継続的に採用されている適格担保の分類法と掛け目を正確に割り出し、資本・担保ご担当者の推量の余地を排除しています。

MiFID II 透明性ソリューション
第2次金融商品市場指令(MiFID II)は、業務慣行や投資家保護策の改善に加え、債券市場や店頭取引市場の透明性向上を目指すものです。ブルームバーグのMiFID II透明性ソリューションは、取引前・取引後両方の透明性を求めるMiFID II要件の充足に貢献するもので、多様なアセットクラスの約700万点に上る金融商品を網羅すべく、120の分野について自動データフィードをご提供します。

資本と流動性
規制当局はシステミックリスク低減を目指し、リスク管理や自己資本の要件を厳格化してきました。今やこうした要件は、自己資本比率の算出・管理やリスクの測定・報告にとどまりません。米証券取引委員会(SEC)規則22e-4や米連邦準備制度理事会(FRB)の包括的資本分析を順守した上で米金融取引業規制機構(FINLA)、欧州中央銀行(ECB)、欧州銀行監督機構(EBA)の指針にも従って、指定されたシナリオに基づくストレステストを実施しなければなりません。さらには適格流動資産を分類すること、算出した流動性比率(流動性カバレッジ比率や安定調達比率など)を裏付ける流動性リスクを測定することも求められています。

SEC規則22e-4:流動性評価ソリューション
受賞歴を誇るブルームバーグの流動性評価(LQA)ソリューションは、多様なアセットクラスにつき、市場流動性の定量的評価を実現します。対象とするアセットクラスは、国債、政府機関債、社債、地方債から世界各国の株式や上場投資信託まで多岐にわたります。SEC規則22e-4の規制要件を満たすのはもちろん、データ・ドリブン型アプローチを用いてリスク管理や運用プロセスの効果を高め、全社的な流動性評価を可能とします。世界各国110万銘柄の有価証券を網羅するLQAソリューションは、ベスト・プラクティスを重視する資産運用業界の皆さまのために市場流動性の評価のみならず、複数アセットクラスからなるポートフォリオ全体の流動性リスクの継続的な評価・管理・報告の面でも最適なツールを提供しています。
ブルームバーグの流動性評価(LQA)の詳細はこちらをご覧ください。

バーゼルIII:適格流動資産ソリューション
バーゼルIIIによる重要な規制改革の1つが、流動性カバレッジ比率(LCR)に関するものです。これは銀行に、民間市場で容易かつ即時に現金化できるような、処分上の制約を受けない適格流動資産(HQLA)を 適切な水準で保有するよう義務付けるものです。ブルームバーグの適格流動資産(HQLA)ソリューションは、バーゼルIIIのLCR要件やその他規制要件(米国のFR 2052a報告やEUの共通報告など)の順守に向け、必要なデータをご提供します。こうしたデータは、信用リスク資本要件の基準を算出する際にも活用できるもので、バッチリクエストとバルクファイルの両方に対応するブルームバーグのエンタープライズ・データフィード経由でご利用いただけます。本HQLAソリューションは、お客さまそれぞれのニーズに合わせてカスタマイズ・拡張可能なソリューションであるのも特徴です。

バーゼルIII:中央銀行適格性ソリューション
主要国の中央銀行間には、適格担保として認められる有価証券に関し、一貫した基準は存在しません。詳細な適格有価証券リストを提供する中央銀行もあれば、単なる基本指針の提供にとどまる場合もあります。
ブルームバーグの中央銀行適格性ソリューションは、世界の主要14中央銀行で担保として認められる全有価証券につき、必要な詳細情報をご提供するものです。このため、お客さまはもはや同じような手作業を繰り返す必要はありません。適格資産リストは掛け目も含めて毎日更新し、分野ごとにまとめてエンタープライズ・データフィードでお届けします。証券単位のデータもご利用いただけます。

バーゼルIII:証券化商品のSSFA
500億ドル超の総資産を有する銀行はすべて、リスクや自己資本比率の算定において簡易指定関数方式(SSFA)を用いなければなりません。新たに課されたこの要件は、不動産担保証券(MBS)や資産担保証券(ABS)を含むあらゆる証券化商品につき、担保のパフォーマンスとストラクチャーの完全性の組み合わせを測定するものです。ブルームバーグのSSFAソリューションは、民間MBS、商業MBS、ABSに関する最終的な証券化リスクウエートファクターを提供することで、米国においてバーゼルIIIのSSFAに準拠したリスクウエートや自己資本比率を算出する際のお手伝いをいたします。SSFAの計算は莫大なデータを必要とするため、ストラクチャーと担保の両方に関するデータベースに加え、極めて高いデータ処理能力をも備えなければなりません。本ソリューションは、バーゼルIIIに従って証券化リスクウエートファクターを算出する際に必要な11のデータフィールドを用いて、住宅・商業MBSやABS分野を網羅する10万点超の組成商品につき、SSFA分析をご提供します。こうした情報は、広範な対象を網羅するバルクプッシュ配信でも、対象とする証券化商品ごとの(ターミナルでの)プル配信でもご利用いただけます。

FRTB:FRTBソリューション
トレーディング勘定の抜本的見直し(FRTB)は、ここ20年余りの世界セルサイド規制における最も大きな変化であり、市場リスクの枠組みを全面的に刷新するものです。2017年には、数百にのぼる銀行が2019年の期限までに規制当局の承認を取得するために、FRTBソリューションの決定を迫られました。ブルームバーグの包括的なソリューションは、計算エンジンから「実価格」データレポジトリに至るまで、FRTB要件のあらゆる側面の充足を可能とするものです。必要とされるのがFRTB対応データであれ、信頼性が高いリスク分析エンジンであれ、またはエンド・ツー・エンド型業務フロー全体であれ、お客さまそれぞれのニーズに即したパッケージをカスタマイズできます。さらに、標準的手法と内部モデル手法の両方を用いた規制上の自己資本の計算、リスク要因のマッピング、モデル作成も可能なリスク要因判定といった新たな機能も追加しており、これらはすべてブルームバーグのプライシングや市場データを基盤としています。

IAS/GAAP:公正価値ヒエラルキー区分ツール
国際会計基準(IAS)か米国会計基準(US GAAP)を適用する報告主体はすべて、資産を公正価値ヒエラルキーに基づいて開示することが2011年から義務付けられています。ブルームバーグの公正価値ヒエラルキー区分ツールは、お客さまが各報告期間に資産を公正価値レベル1~3に区分するにあたり、区分ルールのカスタマイズや保存を可能とするとともに、ブルームバーグ・バリュエーション・サービス(BVAL)が提供する高品質で客観性の高い評価価格との整合性も確保します。本ツールの基礎を成す市場データは、BVALが各債券の評価時に用いる基礎データと同一のものを使用しています。また、財務会計基準書第157号やIAS第39号に定められていた当初の公正価値報告基準が、会計基準コード化体系(ASC)第820号や国際財務報告基準(IFRS)第13号規定の会計要件へと厳格化される中、本ツールはお客さまが後者の要件に対応するお手伝いもいたします。

IFRS第9号:SPPIソリューション
2014年7月、国際会計基準審議会はIFRS第9号「金融商品」を公表しました。これはIAS第39号を置き換え、金融資産・負債の分類モデル、金融商品の測定モデル、有価証券の減損、ヘッジ会計を改定するものです。IFRS第9号は2018年1月1日以降に始まる会計年度から発効しており、これ以前の適用も認められています。ブルームバーグのIFRS第9号SPPIテストソリューションは、IFRS第9号の新たな分類・測定モデルが求める契約上のキャッシュフローのテスト実施時に、お客さまをお手伝いするものです。70を超える独自の有価証券の属性に照らして各金融商品を精査した上で、「元本および利息の支払いのみ(SPPI)」要件を満たしていない可能性がある特性やキャッシュフローを特定し、有価証券の目論見書などの法定文書の見直し作業を自動化しています。イタリアの銀行インテサ・サンパオロでは、新会計基準を効率的に適用するため、ブルームバーグのIFRS第9号SPPIデータが利用されています。
本件のプレスリリースはこちらから(英語)
IFRS第9号関連ソリューションについてはこちらから(英語)

ASC第820号とIFRS第13号:プライシング透明性ソリューション
米国のASC第820号「公正価値測定」と世界レベルのIFRS第13号「公正価値測定」という両会計基準は、財務諸表に計上される金融商品の公正価値に関し、測定に使用したソース、インプット、評価技法の開示拡大を義務付けています。両会計基準の鍵となる要素の1つが、財務諸表注記で公正価値のレベル別内訳を開示するという要件であり、これは公正価値で計上される全投資商品を公正価値の見積もりに利用するインプットの質に応じて レベル1、2、3のいずれかに分類するというものです。ブルームバーグのプライシング透明性ツールや区分ツールは、BVALプライシングモデルが使用する市場データと同じものを基礎とすることで、お客さまが今日直面する多くの規制・会計問題に対し、客観性・一貫性・正当性を兼ね備えた解決策をご提供します。