次世代ビッグテック:不確実性の時代にFAANG 2.0が市場をリードする理由

本記事は、ブルームバーグの株価指数プロダクトマネジャー、
Mike Pruzinskyが執筆しました。

約20年にわたり、いわゆる「元祖FAANG」銘柄-フェイスブック(現メタ・プラットフォームズ)、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグル(現アルファベット)といったビッグテック企業は、その破壊的な成長と驚異的なリターンを背景に、投資家の注目を集めてきました。しかし、時代は大きく変化しています。地政学的リスクの高まりに伴い、サプライチェーンは再編を迫られ、資源の安全保障が最優先の課題として浮上しています。

こうした新たな局面において、ブルームバーグFAANG 2.0セレクト指数は、戦略的に設計されたベンチマークとして、静かに市場全体を上回るパフォーマンスを示しています。多くの投資家が過去の成功体験にとらわれるなか、次世代の「FAANG」は、現代社会を担う企業群で構成されるものです。同指数は、米国およびカナダの主要企業を対象に、燃料(Fuel)、航空宇宙・防衛(Aerospace & Defense)、農業(Agriculture)、原子力(Nuclear)、金およびその他のベースメタル・貴金属(Gold & Other Base and Precious Metals)といった分野を網羅しています。

パフォーマンスの検証

過去の実績が将来の成果を保証するものではないものの、FAANG 2.0を構成する企業の初期リターンは非常に魅力的です。2022年以降、ブルームバーグFAANG 2.0セレクト指数は、より広範な株式市場(図1ではブルームバーグ北米大中小型株価指数で表示)を大きく上回るパフォーマンスを示しており、市場の混乱時においても優れたレジリエンスを発揮しています。

FAANG 2.0構成銘柄は、短期的な値上がりを狙う投機ではなく、国家と経済の安定を支える実体的な基盤への投資を体現する存在です。同指数は年初来で11.52%の上昇を記録しており、重要な資源を確保、生産、保護する企業に対する市場の関心の高まりを反映しています。

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国家安全保障と資源レジリエンスの基盤

考えてみてください。あらゆる国家が機能するうえで、真に欠かすことのできない要素とは何でしょうか。安全なエネルギー源、強固な防衛能力、安定した食料供給、そして重要資源へのアクセスといった要素ではないでしょうか。ブルームバーグFAANG 2.0セレクト指数の構成銘柄は、こうした根本的なニーズに応えるうえで、不可欠な役割を担う企業で構成されています。

同指数のグループ構成を詳しく見ると、これは単なる語呂合わせのリストではなく、社会的ニーズを優先するという世界的な構造転換のなかで恩恵を受けると見込まれる企業を的確に捉えるための、体系的なアプローチであることがわかります。こうしたセクターにポートフォリオを連動させるということは、国家安全保障と天然資源という二つの重要分野の接点にある企業への投資を意味します。

スタグフレーション・リスクの分散化

スタグフレーションへの懸念が高まるなか、株式ポートフォリオやその基礎的なエクスポージャーを見直すことは、慎重な投資家にとっては極めて賢明な判断と言えるでしょう。米国のテクノロジー株はこれまで多くのポートフォリオの中核を担ってきましたが、特に経済的なレジリエンスに優れたセクターへの戦略分散化の重要性は、これまで以上に高まっています。インフレ期における過去の実績が示すように、これらの企業は一般的に高い価格設定力を持ち、原材料などのコスト上昇を消費者に転嫁することで、利益率を維持することが可能です。さらに、これらの企業が保有する有形資産が持つ実質的な価値が発揮されます。

スタグフレーションの可能性を踏まえると、FAANG 2.0構成銘柄への投資テーマは一層説得力を増します。金利上昇や将来キャッシュフローの割引といった影響を受けやすい従来型のグロース株とは異なり、ブルームバーグFAANG 2.0セレクト指数の構成銘柄は、グロースセクターに逆境となるようなマクロ経済の圧力から、むしろ恩恵を受ける可能性があります。経済成長の鈍化と物価の高止まりが重なる局面においても、資源関連企業は安定した業績を維持できるうえ、特に重要なのは、安定した配当収入を生み出すことで、市場全体の上昇余地が限られる環境下でも貴重なリターン源となり得る点です。

さらに、ブルームバーグFAANG 2.0セレクト指数は、広範な株価指数やグロースセクターとの相関が低いという特性を備えており、これは堅固なポートフォリオ設計において、不可欠な要素となります。こうした相関性の低さによって、投資家はよりバランスの取れたリスク配慮型のポートフォリオを構築しやすくなり、市場の混乱時における全体的なボラティリティーの抑制が期待されます。

結論

地政学リスクの高まりと資源確保の重要性が増すなか、こうした課題に対応する企業への評価は今後さらに高まっていくと考えられます。エネルギー・食料・防衛・重要鉱物など、不可欠な資源や機能を提供し、国家の安全や経済の安定を支える企業こそが、これからの時代を牽引する存在となるでしょう。ブルームバーグFAANG 2.0セレクト指数は、こうした構造変化に対応し、先行き不透明な環境下でも将来を見据えた投資判断を支える、有効な新たな枠組みを提供します。先行き不透明な時代において、信頼性の高いエネルギー、安定した食料供給、戦略的金属、防衛力、クリーンエネルギーを提供する企業は、各国が資源の安全保障を最優先課題とするなかで、単なる安全資産にとどまらず、長期的な成長エンジンとなる可能性を秘めています。FAANG 2.0はすでに動き出しています。準備はできていますか。

Strive Asset Managementは、ブルームバーグFAANG 2.0セレクト・トータルリターン指数(BFAANGST)に連動する、
「Strive Natural Resources and Security ETF」(ティッカー:FTWO)を設定しました。

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