ブルームバーグAIテーマ型指数-「ピュアプレイ銘柄」から「具体的な成果への需要シフト」まで対応

Read the English version published on November 27, 2024.

本稿はブルームバーグのインデックス・プロダクト・マネジャー、Qiao Yu およびFrederick Zhangが執筆しました。

人工知能(AI)の台頭は、あらゆる業界に変革をもたらしています。投資環境もその例外ではありません。当初は熱狂的なブームにより、「ナスダックQQQ」などテクノロジー中心型ETFへ多額の資金が流入しました。しかし、投資家が構成銘柄を調べるにつれ、特に「マグニフィセント・セブン」の高ウエートと集中リスクへの懸念が高まる中、従来型のハイテク銘柄ベンチマークという枠を超えAIのテーマにより強く直結する、単独事業に特化した「ピュアプレイ」銘柄に焦点を当てることが奨励されるようになってきました。

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「AIピュアプレイ」テーマとは

 AI重視型戦略を求める投資家、特にAIの長期的な成長軌道を信じる投資家には、ブルームバーグ人工知能(AI)のテーマ型指数は良い選択肢になるかもしれません。

「ブルームバーグ人工知能指数」は、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)の独自調査を活用しています。世界各国に500名以上のアナリストを擁するBIチームは、収益とテーマへのエクスポージャーにわたって企業評価を実施し、AIテーマのニュアンスを最も的確に反映する最終的なAIテーマユニバースを作成します。同ユニバースは市場トレンドとの整合性を確保するために、四半期ごとに見直されます。これにより、ハードウエア、ハイパースケーラー、半導体、インフラ・ソフトウエア、アプリケーション・ソフトウエア、アプリケーション・アクセラレーターの六つのセグメントにわたるさまざまなAI活動に従事する120社以上の「ピュアプレイ」企業群で構成するAIユニバースが誕生、アップストリームとダウンストリームの各社を網羅しています。

図1:BIの人工知能ユニバース

このテーマユニバースを指数銘柄選定の基盤とする「ブルームバーグ人工知能指数(BAIAT)」は、AIエコシステム全体を反映すると同時に、各種主要セグメントを代表しかつ分散化をはかるものとなっています。対照的に、ハイテク株中心の米国上位100社(ブルームバーグ米国100指数(B100QT)の構成銘柄)は、100銘柄のうち、AI関連銘柄は33銘柄(指数ウエート65%未満)にとどまるため、AIテーマへの完全性や純度はそれほど高くありません。

AIテーマ重視型ベンチマークを活用することで、有望な中小企業や新興企業がテクノロジー総合ベンチマークに大きな影響を及ぼすほどの規模に成長する前にいち早く、これらの企業に潜むリターンを捉えることができます。ブルームバーグPORTアトリビューション分析を用いると、BAIAT指数はB100QT指数を過去5年間で27.6%アウトパフォームしていることが分かります。

パッシブ運用会社とアクティブ運用会社の双方から多額の投資を集めているマグニフィセント・セブンの影響を分離するために、マグニフィセント・セブンを除いた企業群によるリターン・アトリビューションも調査しました。分析の結果、このアウトパフォームをもたらした要因は、マグニフィセント・セブンのオーバーウエイト(リターン寄与度10.7%)に加え、さらに重要なのはマグニフィセント・セブン以外のAI株の選択効果(リターン寄与度24.7%)であったことが明らかになりなりました。例えば、クラウドインフラの急増の中で成功を収めたArista Networksは、指数のウエートはわずか0.4%でありながら、同期間でのリターン寄与度は2.8%でした。

「具体的な結果を求める」フェーズへ

クラウド大手企業の資本投資は急増しており、ハイテク業界をけん引する各社はデータセンターインフラやAI半導体、サーバー、研究開発にリソースを注ぎ込んでいます。AI業界が「具体的な結果を求める」フェーズに移る中、高成長企業に絞り込んだ指数が不可欠になりつつあります。特に今年にはいってからは、初期の「ショベルカーとツルハシ」(インフラや基礎的ハードウエアなど)への投資から、後半のソフトウエアやアプリケーションへの投資へのシフトが見られます。特定のAI分野において「乗り遅れる」ことを恐れる投資家は、明確な成長可能性が見られる企業に目を向けています。

こうした需要に対応するため、ブルームバーグではブルームバーグ人工知能グロース・セレクト(BAIGST)指数を導入しました。これはBAIAT指数構成銘柄から、規模、収益実績、EBITDA成長率の各指標に基づいて上位50社を選出したものです。また、グロースファクターも組み込み、 収益成長率を銘柄加重方法に反映しています。BAIGST指数では、過去のパフォーマンスと将来の収益予想を組み合わせることで、堅調な成長実績と、将来の強力な潜在性を持つAI企業が特定されています。

親指数のBAIAT指数と比較すると、BAIGST指数はサイズやモメンタム、グロースなどのファクターへのエクスポージャーが高いため、マグニフィセント・セブンなど初期に恩恵を受けた大手企業へのエクスポージャーと、常にAIイノベーションの最前線に立つ急成長企業へのエクスポージャーとでバランスを取ることにより、AIのテーマをより適切に捉えられます。全体として、BAIGST指数ではこうしたファクターによって、AIの発展をけん引し、ダイナミックに急成長を遂げるAI企業への投資を実現します。

生成型AIの市場規模は2032年までに1兆3000億ドルに達すると予想されています。AI革命は絶えず進化しながら、経済を再形成していく見通しです。ブルームバーグのAIに特化したテーマ型指数は、このメガトレンドに関連する長期的成長の可能性に賭けたい投資家にとって、ますます妙味ある選択肢となるかもしれません。BIの綿密なリサーチと柔軟な指数設計を活用したブルームバーグの人工知能(AI)テーマ型指数は、広範なAIへのエクスポージャーから、より成長性の高い企業への集中的投資に至るまで、さまざまな投資戦略に適合する多様なアプローチを提供しています。

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本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

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