グリーン・トランスフォーメーションの実現に向けグローバルで競争が加速する中、トランジション・ファイナンスの枠組み作りやGX経済移行債(クライメート・トランジション利付国債)の発行、インパクト投資の推進など、日本が世界をリードする動きが出てきています。近年では政府をあげて「資産運用立国」を目指した取り組みが進められており、日本の金融市場に対する世界の関心も高まりつつあります。また今年2月に世界に先駆けて発行されたGX経済移行債につきましては、ブルームバーグGSSインデックスの組み入れ条件も満たし、他のグローバルGSS債と共に構成銘柄として組み入れられています。
こうした状況を背景とし、このたびブルームバーグにおいて、グリーンファイナンス・ネットワーク・ジャパン(GFNJ)メンバーの皆さまを対象に「サステナビリティに貢献し、経済の持続的な成長につなげるために、グリーンファイナンス分野で日本に求められていること」をテーマとするカンファレンスが開催されました。
待ったなしの地球環境課題解決に向けて、グローバル社会の一員として今後の世代のために今日本がやるべきこと、できることは何なのかについて、金融の最前線でご活躍中の著名な有識者や若い世代を代表するパネリストを中心に、活発な討論が展開されました。イベントはメンバーのみ参加できるクローズドの形で行われたため、討論の仔細についてはここでは触れませんが、質疑応答の時間では参加者からも次々に挙手があがり、多数の質問や忌憚ない意見の交換で会場全体が熱気に包まれました。
グリーン・ファイナンス・ネットワーク・ジャパン(GFNJ)は、2018年に立ち上げられた日本における官民のグリーン・ファイナンス関係者の連携をめざすネットワークです。国連環境計画・金融イニシアティブ特別顧問の末吉竹二郎氏および国際金融情報センター理事長の玉木林太郎氏を発起人とし、金融庁総合政策課長高田英樹氏が事務局長を務めています。
個人としての立場で参加する自主的・インフォーマルなネットワークでありながら、メンバーには、主要関係省庁(環境省・経産省・財務省・金融庁・外務省)や、金融機関、機関投資家、企業、開発金融機関、シンクタンク、学者、国際機関、NGOといった、幅広い関係者が含まれており、政府関係者と民間のステークホルダーを共に含んでいることが、大きな特徴の一つです。