Read the English version published on July 15, 2022.
この分析はブルームバーグNEF(BNEF)によるもので、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。
ネットゼロ政策と低炭素化ソリューションへの取り組みが急速に進められていますが、だからといって化石燃料の供給に関する累積投資額が今後30年間で縮小していくというわけではありません。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は最新の報告書の中で、気温上昇を摂氏1.5度に抑えるための大胆な3つの経路を盛り込みました。1つ目は持続可能な開発への移行を軸とする経路(C1-SP)、2つ目はエネルギー需要の削減に注力する経路(C1-LD)、最後に再生可能エネルギーの活用を促進する経路(C1-REN)です。
BNEFの予想では、化石燃料の供給に関する投資総額は2050年までに、C1-SPで15兆5000億ドル、C1-LDで4兆6000億ドル、C1-RENで12兆5000億ドルになるとしています。
エネルギー供給投資の大半は石油が占め、C1-SPで10兆3000億ドルに達すると予想されます。これは、航空機や石油化学製品をはじめとする特に二酸化炭素排出量の削減が困難なセクターにおける根強い石油需要に起因しています。対照的に、石炭供給への投資は枯渇するでしょう。
経済が行き詰まりを見せる中、インフレとサプライチェーンの問題が世界的な均等化発電原価(LCOE、発電量当たりのコスト)を押し上げているため、当面の間は化石燃料依存に戻る国があるかもしれません。
ブルームバーグの主要なリサーチサービスであるブルームバーグNEF(BNEF)は、クリーンエネルギー、先進輸送技術、デジタル産業、革新的な素材、コモディティなどを対象としており、BNEFは、企業の戦略、財務、方針のご担当者が変化に対応し、機会を見つけるためのお役に立ちます。BNEFブログの他のコンテンツもご覧ください。
2021年から2050年までの化石燃料供給への総投資額 (注:IPCCのC1-SPとC1-RENの投資額は、IEAのデータに基づいてBNEFが推定したもの。上流、中流(液体)を含む)。
本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。