ポストコロナ時代の新たなテーマ型インデックス運⽤

本稿はBloomberg Intelligenceアナリスト北浦岳志の協力を得てシニアアナリスト若杉政寛が執筆し、ブルームバーグターミナルに最初に掲載されました。(6/26/2020)

ポストコロナ時代の「構造変化」に注⽬したテーマ型インデックス運⽤の重要性は⼀段と⾼まろう。ブルームバーグでは、テーマに沿ったスクリーニングからバックテストまでのインデックス開発を、端末上で完結して⾏えるのが特⻑だ。ブルームバーグ・インテリジェンスのリサーチ機能と組み合わせれば、運⽤会社はテーマ設定やインデックス作成において差異化を図ることも可能となろう。

  1. テーマ型インデックス運⽤は拡⼤トレンド

テーマ型のインデックス運⽤の資産残⾼は拡⼤傾向にあり、今後もその重要性は⾼まると思われる。テーマの例としては、今回ブルームバーグのインデックス&ポートフォリオ(I&P)チームとブルームバーグ・インテリジェンス(BI)が共同でウェビナーを⾏った「オートメーション・⾃動化」のほか、「少⼦⾼齢化」、「地球温暖化・環境規制」、「5G・6G通信」など、さまざまな切り⼝で設定可能と思われる。テーマ型インデックス運⽤の特⻑は、社会構造や業界構造の中⻑期的な変化に注⽬することで、短期的なパフォーマンス変動を吸収しながら、中⻑期的な運⽤が可能となる点だ。中⻑期的な運⽤に集中できれば、取引コストの削減も可能となろう。

⽶国におけるテーマ型上場投資信託(ETF)の平均経費率は低く、顧客にとって選択するメリットは⼤きい。⼀⽅で、TOPIXなどの指数インデックス運⽤の経費率より⾼く設定できるため、運⽤会社にとっても魅⼒的な商品と思われる。

株式テーマ型インデックスファンドの運⽤規模

Source: Bloomberg Intelligence
  1. ブルームバーグは全⽅位でソリューションを提供

ブルームバーグでは、BI によるテーマリサーチや個別企業リサーチとI&Pによるインデックスソリューションの提供など、全⽅位的な付加価値提供を⾏っている。BI では、「⾃動化」、「フィンテック」などのテーマに応じたトップダウン型リサーチに加えて、個別企業の強み・弱み分析などボトムアップリサーチを組み合わせることも可能。⽇本だけでなくグローバルな視点でのリサーチも提供している。ウェビナーでは、ファナック、キーエンス、SMC、ルネサスエレクトロニクス、ロームなどの事例を挙げた。

I&Pでは、ユニバースの選択から流動性やリスク・リターンなどの条件設定、インデックスメンテナンスまで⼀貫したサービス提供が可能。投資テーマからポートフォリオを客観的かつ効率的に作ることができる。さらに、各顧客のアイデアをカスタマイズした独⾃のインデックスを開発することも可能だ。

ブルームバーグのトータルソリューション

Source: Bloomberg Intelligence
  1. インデックスソリューションは端末上で完結

ブルームバーグのインデックスソリューションは、ユーザーがブルームバーグ端末上でインデックスの作成やバックテストを簡潔に実⾏できるのが特⻑だ。「EQS」機能を使⽤すれば、ブルームバーグの業種分類に基づいたスクリーニングとポートフォリオのバックテストを端末上で⾏える。スクリーニングでは、国や地域、1⽇当たりの売買代⾦、時価総額、上場取引所など、さまざまな条件の設定が可能だ。バックテストでは、ポートフォリオのリターン、リターンの標準偏差、トラッキングエラー、シャープレシオなどを簡単に計算できる。エクセルなど他のソフトを使う必要がなく、ブルームバーグ端末上で完結できるのもメリットだろう。

新型コロナウイルスの蔓延で、世の中の動きが⼤きく変わる可能性がある。ポストコロナ時代においては、新たなテーマ型インデックスの開発が加速するだろう。

EQS <GO>でのスクリーニング例

Source: Bloomberg Intelligence
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