サステナブル債、好調な滑り出し

Read the English version published on March 8, 2023.

サステナブル債の発行市場では、2022年は金利の上昇と市場のボラティリティーの高まりによって発行体の関心が抑えられ、発行額は低調となりましたが、今年は順調なスタートを切っています。年初来で、社債と公債の発行額は既に前年比23.1%増となり、特に政府による発行が急増しています。

グリーンボンド、ソーシャルボンド、およびサステナビリティボンドの23年の発行総額は約1957億ドルで、そのうち50%以上を占めた国債は1074億ドルに上りました。23年にサステナブル債を発行した国には、例えばフランス、アイルランド、スロベニア、ドイツなどがあります。イスラエルとインドは1月にグリーンボンドを初めて発行しました。

出所:ブルームバーグ・リーグテーブル:グリーン・ソーシャル・サステナビリティ(GSS)ボンドの年初来発行額

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これまで、サステナブル債の発行国は先進国が中心でしたが、最近では新興国市場でのグリーンボンド発行プログラムが、化石燃料への依存度が高いエネルギー構成を持つ国にとって、より多くの発行機会を提供するようになりました。こうしたプログラムは再生可能エネルギーのインフラ向けに資金をコミットするものですが、インドの場合は、化石燃料の圧縮天然ガスも含まれていました。そのため、インドは上記ブルームバーグ・リーグテーブルから除外され、ブルームバーグ ターミナル上の「グリーン」指定は受けられませんでした。

債券リターンの改善と投資適格債市場の借り入れコスト低下が相まってサステナブル債の発行市場は活況を呈し、数多くの発行体が初めてサステナブル債市場に参加しています。23年1月の発行額は22年1月以来最大となり、その金額は1050億ドルを超えました。2月の発行額も905億ドルをわずかに超えています。こうした回復は、安定的な投資家需要に支えられたサステナブル債市場の底堅さを浮き彫りにするものです。

出所:ブルームバーグによる、ブルームバーグ・グローバル総合とブルームバーグ・グローバル総合GSSの比較

ブルームバーグのグローバル総合グリーン・ソーシャル・サステナビリティ(GSS)ボンド・ インデックスは、環境および/または社会に直接的な利点をもたらすプロジェクトへの資金調達を目的に発行される債券のグローバル市場に関する指標で、投資家の皆さまには客観的かつロバストな尺度としてご利用いただけます。グローバル総合インデックスと比較し、(セクター・ニュートラリティも考慮すると、)GSSインデックスは22年以来、グローバル総合インデックスをアンダーパフォームしてきました。しかし、このアンダーパフォーマンスの大部分は、インデックス構成銘柄の60%以上を占めるユーロ建て債券に起因しています。

年初来GSS債発行総額
(国債、社債、地方債、モーゲージ証券を含む)

ブルームバーグのサステナブル・インデックスに関する詳細と、インデックスのスペシャリストへのお問い合わせは、ターミナル上でI<GO>にアクセスするか、当社ウェブサイトをご覧ください。

本稿は、ブルームバーグのサステナブル・インデックス・プロダクト・マネジャー、Jonathan Gardinerと、ブルームバーグのサステナブル債券ヘッド、 Joshua Kendallが共同執筆したものです。

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