複雑なデータ課題を簡単に解決する方法

Read the English version published on January 26, 2021.

データは、運用会社や銀行その他の金融機関にとって最も重要なリソースの一つとなりました。しかしデータが価値を発揮するのは、適切に管理されている場合だけです。従って、高品質のデータを取得し活用できるシステムを備えることが、売上、利益の双方を伸ばすために大変重要です。

先日、カナダ、イタリア、フランス、スイス、ベルギーで開催されたブルームバーグのCxOロードショーシリーズで強調されたのもこの点でした。本ロードショーでは、ブルームバーグでエンタープライズデータのグローバルヘッドを務めるGerard Francisが、データを有効活用する際の課題について金融の専門家と議論を交わしました。参加者からは、データ戦略を実行する際の課題の克服が難しい、あるいは、競争に遅れないためには正しいデータ戦略とアーキテクチャーを迅速に実施する必要があるといった意見が聞かれました。

その中で、多くの参加者が抱えていた課題は戦略の実行に関するものでした。将来を見通した戦略を実際に実行してみると、その規模や複雑性は想定をはるかに超えていました。戦略を進めていくにつれてより多くの知識が必要であることが分かり、望んだ結果を達成することが難しくなっていきました。

「データセットとは絡まってしまった糸巻きの糸のようなものです。糸の端がどこにあるのかが分からなければ、ほどこうとしてもさらに絡まってしまいます。同じように、データ管理も最初は解決可能な問題のように思えても、実際に問題に取組み始めると想定をはるかに超えて困難であることが見えてきます。そして、人間の力だけでは問題を完全に解決することは困難であることが分かってくるのです」とGerard Francisは述べています。

急増するデータにどう対処するか

金融機関にとってデータ処理はコアコンピタンスではないため、思うように進まないのは驚くことではありません。情報のデジタル化は比較的最近の事象であり、データの種類と量の急速な増加に、金融機関はその大小を問わずついていけなくなりました。

さらに、世界中でデータ量が増加し続けその内容がますます複雑化する中で、各データセットの正確なニュアンスを捉えることが難しくなりました。そこで鍵を握るのは、データの特定・アクセス・処理に関する専門的なノウハウであり、それなくしては企業は優位性を失います。

データ優位性の追求は、金融軍拡競争と呼ばれることがあります。この例えはある意味正解です。競争に勝ち抜くためには堅牢で包括的なデータサービスが不可欠だからです。

幸いにも、この複雑な問題を劇的に解決する簡単な方法があります。それは、データニーズのほぼすべてを、完全に統合されたサービスを提供するデータプロバイダー1社に委託することです。ブルームバーグ エンタープライズ データはまさにそのサービスを提供しています。データ収集・処理に関して企業が求めるあらゆるニーズが相互に関連していることに鑑み、ブルームバーグは6つの柱(コンテンツ、品質、アクセス、使いやすさ、ツール、サービス)を主なベースとするOne Dataソリューションを開発しました。

データ処理の6つの柱

6つの柱が相互に関連していることを説明するため、Gerard Francisは映画のストリーミングアプリを例えとしてあげました。

「映画のストリーミング配信を視聴するには幾つかやるべきことがあります。まずアクセス方法が必要です。これは映画を見るためのアプリです。アプリがなければ映画を見ることはできませんし、映画を見るためにはアプリが必要です。つまり、この2つは本質的にリンクしているのです」

Gerard Francisはこの例えをさらに進めてこう述べました。データセットも映画と同じです。高品質でなければ価値を提供できません。技術サポートサービスが必要です。クラウド経由で簡単にアクセスできることも必要です。さらに、使いやすさも重要です。データが使いやすいほど、解釈に要する時間が少なくてすみます。

金融に関するデータの場合も状況は同じです。収集された情報は信頼性が高くクリーンな場合にのみ価値があります。しかしその場合でも、お客さまがデータにアクセスできない場合や使いにくい形で提供されている場合には意味がありません。さらに、連続したデータフローから意味を引き出すツールや、必要なデータを更新するシステムがなければすべてが無駄になります。

ベンダーを1社に絞れば、ほかにも多くの直接的なメリットがあります。例えば、上記6つの柱にまたがるリンクが既に整備されているため、異なるインフラをリンクする必要がなくその分コストが節約できます。さらに、その1社との連携を密にすればするほど、より多くのシナジーを得ることができます。

ベンダーを1社にすることのもう一つの大きなメリットは規模の利益です。多くの場合、データは分単位、あるいは秒単位で古くなり陳腐化します。既存のデータセットの変化を追跡し、新たなフィードをモニタリングすることは、それだけでフルタイムの手間がかかる仕事です。データ戦略を構築さえすれば、あとは勝手にシステムが回ると思ったら大間違いです。データは常にモニタリングする必要があり、これは大手銀行にとってさえ手間のかかる作業となります。

ブルームバーグなら複数のデータソースをまとめて提供

ブルームバーグは、お客さまが必要とするデータセットを常に最新のものに更新するだけではなく、将来必要となる可能性があるデータを探し出し取得することもできるだけの規模を有しています。お客さまは、専用のウェブベース・データマーケットプレイスであるエンタープライズ・アクセス・ポイントから500を超える商品と6000を超えるデータセットにアクセスすることができます。

さらにブルームバーグは何千もの標準データソースおよびオルタナティブデータソースを提供するだけでなく、何百ものサードパーティベンダーと緊密に連携してさらに幅広い高品質のコンテンツプールを調達しています。

「ブルームバーグは、お客さまが複数のベンダーを一つのスクリーンで簡単に見ることができるデータ管理レイヤーを開発しました。このため、ほぼ完全に近い形のデータセットが入手可能となりました」とGerard Francisは述べています。

2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大は、金融サービス業界におけるクラウド導入を加速させました。ブルームバーグはこのクラウド導入の加速化がいずれ必ず起きると数年前に予見し、コロナウイルス感染拡大が世界の仕事のやり方を変えてしまう前に数多くのエンタープライズデータソリューションを開発し、ウェブで閲覧可能なクラウドベースのプラットフォームを通じてアクセスできる態勢を整えました。これによりお客さまは、前例のない経済的混乱とリモートワークのさなかにおいても、高品質かつ高速なデータフィードを利用することができました。

過去何十年ものデータ生成および提供を通じて得られたブルームバーグの専門的な知識やノウハウがOne Dataソリューションを支えています。企業にとって最も重要なインプットは間違いなくデータです。お客さまがそのデータで優位性を獲得するための戦略を構築する際には、エンジニア、アナリスト、データサイエンティストから成るブルームバーグのチームが常にサポートを提供します。

「ブルームバーグがやるべき最も重要なことは提供するデータの幅を広げ深化させることです。ブルームバーグに依頼さえすれば、必要なものすべてが得られ、かつそれが有効に機能することが、お客さまにはわかっています」とGerard Francisは述べています。

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