【端末活用術】日経平均、世界最大の年金基金によるリバランスが高値更新の障壁に

本稿はブルームバーグの財務・業績予想データアナリスト花村信吾、株主データ・アナリストDenise Cochranが執筆し、ブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。ターミナルユーザー様は、こちらからも本記事をお読みいただけます。(2023年7月5日)

【背景】

日本株の高騰で、世界最大の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がポートフォリオのリバランスを行う可能性があり、最高値を一段と更新するには障壁となりそうです。

4ー6月期に、日経平均株価が18%上昇したことで、GPIFの株式ポートフォリオの51.1%が日本株となりました。このため、四半期末のリバランスでGPIFは日本株の割合を目標の資産配分に戻す可能性があります。

日本株の配分を50%に戻す場合、85億ドル(約1兆2300億円)相当の株式売却が必要となるかもしれません。三菱商事、ソフトバンク、トヨタ自動車は、GPIFが保有する日本株のうち、前四半期(1ー3月)比で時価総額が最も増加した銘柄です。

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【課題】

  ブルームバーグのIP機能およびHDS機能で、GPIFのポートフォリオのリバランス見通しを分析することができます。

GPIVFZ JP Equity IP でGPIFの投資戦略を追跡
図1 GPIVFZ JP Equity IP <GO>でGPIFの投資戦略を追跡   Source: Bloomberg

 IP <GO>機能(図1、図2)でGPIFの投資戦略を追跡することができます。GPIFの投資戦略を確認する方法、日本株への投資のヒストリカルチャートの確認及び売却の影響を受けやすい銘柄を分析する方法の詳細はターミナルで全文をご参照ください。

IP機能でGPIFによる日本株への投資のヒストリカルチャートを確認
図2IP機能でGPIFによる日本株への投資のヒストリカルチャートを確認 Source: Bloomberg
GPIFによる売却の影響を受けやすい銘柄を分析

ウォーレン・バフェット氏が投資する三菱商事、ソフトバンク、トヨタ自動車、ソニーグループは、GPIFが保有する日本株の上位銘柄で、前四半期比で時価総額が最も増加しました。(図3)

図3 GPIFによる売却の影響を受けやすい銘柄を分析
8058 JT Equity HDS でGPIFの銘柄取引履歴を追跡
8058 JT Equity HDS<GO> でGPIFの銘柄取引履歴を追跡 Source: Bloomberg

8058 JT Equity HDS<GO> 機能でGPIFの銘柄取引履歴を追跡することができます。GPIFは2022年上期に総合総社である三菱商事へ追加投資して以来、安定した保有を続けていますが、株価は今年急騰しました。GPIFが日本株の配分を縮小すれば、ここ数十年で最大の株高が四半期末のリバランスで勢いを失う可能性があります。詳しくはターミナルで全文をご参照ください。

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