【端末活用術】円高、8月にペース加速の見込み-季節要因やポジション調整で

本稿は、ファンダメンタルズ・データ・アナリスト中込安政およびマーケット・アンド・プロダクト・スペシャリスト大河戸正弥が執筆し、ブルームバーグターミナルに掲載されたものです。ご契約者様は、こちらから全文をご覧いただけます。(08/09/2022)

背景

ドル・円相場が円安から反転し始めました。季節要因やポジション調整、ボラティリティー、アナリスト予想を考慮すれば、今後円高が進む可能性があります。

米国の景気後退(リセッション)への懸念と台湾を巡る地政学的緊張の高まりから、オプション市場では円に対する強気センチメントが高まっています。リスクリバーサルも円高に偏っており、レバレッジドファンドは円ショートを減らしています。過去20年間を見ると、8月は最も円高が進む月となっています。さらに、2022年末までに一段と円高が進む確率は円安になる確率より高いことがと予想されます。

USDJPY Curncy OVDV <GO>でオプション市場のセンチメントを確認(出所:ブルームバーグターミナル)

課題

ブルームバーグターミナルのOVDV機能、VOLC機能、BI機能、SEAG機能、FXFM機能を使って、為替相場を分析します。

ボラティリティー・サーフェス機能でオプションのセンチメントを追跡します。

USDJPYの3カ月物スマイルカーブのディープ・アウト・オブ・ザ・マネー・USDコールJPYプットのインプライドボラティリティーは3カ月前から大きく低下しました。オプション市場は極端に円安が進む可能性は以前より低くなったと考えているようです。

追跡

次に、リスクリバーサルおよびインプライド・ボラティリティーを確認します。リスクリバーサル (緑色)は3月初旬から6月にかけてドル高・円安の地合いが強くなり、おおむね円相場と連動していました。しかし6月中旬以降は連動性が崩れ始めています。

USDJPY Curncy VOLC <GO>でボラティリティーを比較

次に、ブルームバーグの投資リサーチ部門、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)が集計するデータを使って先物ポジションを追跡します:

レバレッジファンド(⻘⾊)は5⽉以降、円のネットショートを軒並み減らしています。年⾦基⾦や保険会社、投資信託といったリアルマネーの運⽤会社(オレンジ)およびヘッジファンドは、3⽉の極端なショートポジションを減らしています。

BI CURRG <GO>で為替ポジションを確認(出所:ブルームバーグターミナル)

次に、季節要因を確認します。ドル・円ペアは季節的に軟調局面に差し掛かっており、8月の20年平均損失は0.9%。米国のリセッションへの懸念が高まっていることや米国債利回りが低下していることも、円に対する需要を後押ししています。8月は米10年国債の利回りが季節的に最も低下しやすい月となっています。

JPY Curncy SEAG <GO>で季節要因を確認(出所:ブルームバーグターミナル)

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