プライベート・エクイティとヘッジファンドのリスク評価

Read the English version published on November 06, 2020.
本稿はEverett Perryが執筆し、全文はブルームバーグターミナルに最初に掲載されました。

背景

投資家にとって、オルタナティブ戦略へのエクスポージャーがこれまで以上に増える一方で、そのリターンの見通しは以前に比べてかなり不透明になっています。

プライベート・エクイティ(未公開株、PE)ファンドは、前代未聞の低金利環境に支えられて今年まで堅調なリターンを生み出してきました。米コンサルティング大手マッキンゼーによる2019年の報告書によれば、PEファンドから出資を受けた米国企業の数は2006年の4000社から2017年には8000社に増えています。ところが現在、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の最中にあり、プライベートエクイティ会社のポートフォリオは今後のエクジットが期待される案件がほぼ皆無となっています。今後の収益の見通しに関する疑問が生じる中、投資家の間で不透明感が高まっています。

一方ヘッジファンドは、パンデミック前の10年間PEファンドよりも険しい道に直面してきました。花形ファンドマネジャーたちが撤退し、機関投資家はヘッジファンドの高額な手数料の割りが合わないとしてアロケーションを減らしました。9月30日までの10年間に、ブルームバーグ・オール・ヘッジファンド・インデックスが上げた年間リターンの平均はわずか2.8%でした。一方この期間に、S&P500種指数は平均で11.5%の年間リターンを上げています。しかしここ数カ月間は、新型コロナウイルスにより市場のボラティリティーが高まる中、特に北米を中心に、機関投資家の間でヘッジファンドの買いが広がっています。これはファンドマネジャーたちが市場のボラティリティーとミスプライシングに収益機会を見いだすだろうと期待した動きと思われます。

JPモルガンのキャピタル・アドバイザリー部門グローバルヘッドのMichael Monforth氏はブルームバーグ・ニュースに対し、「大半のヘッジファンドにとって、低金利とスプレッドの縮小、さらに割安なベータ投資の存在(といった点で、米国ベースの投資は妙味がなかった。だが最近になってボラティリティーが高まり、前代未聞の規模の景気刺激策が導入され、信頼できる法的枠組みの中で資産価格のディスロケーション(転位)が生じ、投資先として米国の魅力が高まっている」と述べています。

問題点

多くの投資家にとって問題なのは、ポートフォリオの分析にまったく異なる2つの手法が依然として利用されていることです。株式や債券の保有銘柄については、リスクの定量化やヘッジ・レシオの算出に高度なモデルを使用していても、PEファンドやヘッジファンドの分析となると、主観的な分析や、後に運用会社から報告される限定的なデータに頼っているのが現状です。

この問題を解決するにはブルームバーグの ポートフォリオ&リスク分析(PORT)機能が役立ちます。PORTは、ブルームバーグのマルチアセット・クラス・リスク・システムから、PEファンドとヘッジファンドを対象とするモデルも含め、20種類以上のファクターモデルを採用しています。ブルームバーグのデータ取得エンジンが、公開情報をスクレイピングして、PEファンドやヘッジファンドに関して利用可能なすべてのデータを取得します。そして、高度なデータクリーニングと機械学習機能によって、スクレイピングで取得したリターン情報と分析結果を使い、信頼できるファクターモデルを構築します。

PORT機能では、将来のポートフォリオのボラティリティーとトラッキングエラーの予測、具体的な市場シナリオのシミュレーション、バリュー・アット・リスク(予想最大損失額/VaR)のトラッキングのほか、PEファンドやヘッジファンドの制約の範囲でリスク低減のための最適化を実行できます。

トラッキング

ブルームバーグのPORT機能を使用すれば、たとえポートフォリオにPEファンドやヘッジファンドなど、非流動資産や不透明資産があってもポートフォリオの合計リスクを定量化できます。

PEファンドを含むポートフォリオの分析には、{PORT<GO>} を実行してPORT画面を開いた後、[トラッキングエラー/ボラティリティ]タブをクリックし、次に[サマリー]サブタブをクリックすると事前リスクの内訳を表示できます。アクティブリスクの合計を分析し、その数値を他のポートフォリオやインデックス、ファンドなどの推定値と比較します。「ファクターリスク寄与度(%) 」のセクションでは、どのファクターがリスクに最も寄与しているのかが分かります。

PEファンドの投資家にとって、特にすでに株式への直接のアロケーションがある場合は上場株式に対するエクスポージャーが過剰となるのは望ましくないかもしれません。そのようなリスクを低減するため、PORT の取引シミュレーション機能は可能な取引を評価する効率的な方法を提供します。例えば、インデックス先物を利用して株式市場のリスクをヘッジする方法があります。

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