Read the English article published on November 30, 2020.
この記事はWilliam ShawとSilla Brushが執筆し、 ブルームバーグ・ターミナルに最初に掲載されました。
国際スワップデリバティブ協会(ISDA)が策定し、10月に発表されたこのプロトコルは、2021年末にLIBORが廃止された際の最悪シナリオを防ぐための重要な手段として推奨されています。
バークレイズ、クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースをはじめとする世界最大級の銀行の大半がすでに新規プロトコルを採用しています。
しかし、Tarbert会長は「双方の当事者がこのプロトコルを採用しない限り、スワップ契約の参照金利をLIBOR以外の金利に切り替えること(フォールバック)はできない」としています。
一部の金融機関が新規プロトコルの導入をためらっているのは、ドルLIBORの廃止時期が不透明であるためかもしれない、とFutures Firstのアナリスト、Rishi Mishra氏は述べています。先週、LIBORの発表・管理主体であるICEベンチマーク・アドミニストレーションと英金融行為規制機構(FCA)の発表を受けて、LIBOR廃止が先送りになるのではないかとの臆測が急速に広がりました。
米国でのLIBORからの移行を指導するために米連邦準備制度理事会(FRB)が設立した代替参照金利委員会(ARRC)は、各社に新プロトコルに準拠するよう呼びかけています。
モルガン・スタンレーのInstitutional Securities部門副会長でARRCの会長も務めるTom Wipf氏はメールでの声明で、「このISDAプロトコルは、市場参加者が独自に問題を解決できる分野の好例」とし、「デリバティブ契約の問題解決のために法令の整備を待つ必要はなく、このプロトコルに従えばどの金融機関も問題に対処できる」と述べています。
LIBORを管理する英国FCAは7月に、新プロトコルを採用しない企業は「大きなリスク」に直面すると警告しています。
ISDAプロトコルに従うことで金融機関は面倒な契約再交渉を回避できるものの、画一的な文言で各社個別の利益が最優先できるのかという懸念が残されています。