ブルームバーグのテクノロジーでマルチアセットのバイサイド対応を強化

Read the English version published on November 18, 2021.

本稿はAnnabel Smithが執筆し、The TRADEに最初に掲載されました。

ブルームバーグのバイサイド・ソリューション部門グローバルヘッドが米国金融メディアThe TRADEの取材に答え、注文管理プロセスと各アセットクラスを網羅する統合テクノロジーへの需要が高まっていると語りました。

ブルームバーグのバイサイド・ソリューション部門グローバルヘッド、Ian Peckettによれば、ブルームバーグでは注文管理プロセスに関連する各種機能の統合に力を入れています。バイサイドのお客さまがポートフォリオ全体を取引する際における、効率性の向上を目指しています。

Peckettが強調したところによると、企業は、統合によってポートフォリオに保有するアセットの種類が多様化してきた一方で、昨年継続的にみられたワークフローの最適化を求める声がきっかけとなり、業務効率化のためのマルチアセット統合ソリューションを求め始めています。

ブルームバーグでは、ターミナル上のリサーチ機能とESGデータを最大限に活用するための取り組みを強化しています。これらの情報を注文管理プロセスに移行させ、あらゆるアセットクラスを網羅したポートフォリオの運用や構築、導入のほか、リスク管理や取引後業務の実現を目指しています。

「ブルームバーグではこれまで以上に投資のライフサクル全体を見渡すようになってきました。最近認識が広がりつつあるのは、業務効率化の目標を達成するには、従来型のサイロ化された(部門ごとの縦割り構造が独立・完結しており、部門間の情報共有や連携ができない)状態から脱却する必要があるということです。各部門内では効率的かもしれないものの、全体的に見ると機会逸失が繰り返されていることがあります」とPeckettは言います。

「ブルームバーグが構築しているポートフォリオ最適化ツールには、証券の在庫という観点が導入されています。これにより、『理想的な買い銘柄』だけではなく『理想的かつ購入可能な銘柄』の識別が可能です。また、取引が成立しない確率や、投資プロセスへのアップストリームなど、取引後データの活用方法についても検討中です。こうした機能性はこれまでかなりサイロ化されていましたが、テクノロジーを使ってこれらを統合すれば成果やリターンの向上を期待できる極めて大きな機会が創出されるでしょう。」

クローバル化や業界統合によって、バイサイド企業は次第に1種類ではなく複数種類のアセットクラスをポートフォリオに有するようになってきました。バイサイド大手の米ブラックロックは5月、取引システムプロバイダーの米フレックストレードとの提携を通じて、ブラックロックの旗艦プラットフォーム「アラディン」におけるマルチアセット取引の機能拡張を発表しました。

Peckettによると、ブラックロックで導入されたこの機能拡張が意味するところは、企業各社において複数のシステムが必要となってきているために業務上の問題が発生しており、各社はテクノロジーを用いて解決に取り組んでいるということです。

「バイサイド企業は業務効率化について極めて重点的に取り組み、現行業務モデルからいかに制約を取り除くかを検討する局面に来ています。

具体的には、システム間の連携に関する制約や、アセットクラスのうち特定のサブセットにしか対応できないシステムがあるといった制約です。債券デリバティブ業務用や株式デリバティブ業務用にそれぞれ個別のシステムを導入し、そのため業務が複雑化しているという企業も多いことでしょう。このところ見られるのは、こうした制約を排除しようとする試みです。あらゆる地域におけるどのアセットクラスでも取引できるというのが理想です。」

バイサイドにおけるこうした業務効率化トレンドを踏まえて、ブルームバーグではさまざまなマルチアセット・ソリューションを開発中です。例えば、新たに立ち上げた次世代リスクおよびアトリビューション分析モデル、MAC3は、2016年にブルームバーグが買収したバークレイズ・リスク・アナリティクス・アンド・インデックス・ソリューションズ(BRAIS)のモデルを拡張したものです。

「このMAC3リスクモデルは、まさに有力なマルチアセットクラス対応型プロダクトです。このリスクモデルをポートフォリオの検証にも構築にも活用できるようにし、かつさまざまな方法でこのリスクモデルを適用できるようにするという観点において、唯一無二の高度な拡張を実現しました。応答性に富むだけでなく、あらゆる投資期間にも調整できます。そのため、短期投資を行う高頻度トレーダーや非常に長期的な視野に立ったアセット保有者といった状況によってリスクモデルを調整し、それぞれに応じた予想を算出できます」とPeckettは締めくくりました。

本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。