【端末活用術】複数のテクニカル指標が示唆していた相場の調整局面

Read the English version published on January 27, 2022.

この記事はブルームバーグのマーケット・スペシャリスト、Li Zhao氏が執筆しました。英語版はブルームバーグ ターミナルに最初に掲載されました。

背景

複数のテクニカル指標において、米国の株式市場は株価が乱高下する中で2021年に天井を付けたことが示唆されています。

例えば、2021年11月には株価急落を予測するテクニカル指標のヒンデンブルグ・オーメンが現れ、ニューヨーク証券取引所(NYSE)総合指数が低下する可能性が高まっていることの警告となりました。52週安値を記録した株式銘柄の米国主要指数に占める比率は2020年3月以来最も高くなり、同時に相対力指数(RSI)も低下しました。

課題

株価急落の予兆を示す指標のヒンデンブルグ・オーメンは、2020年初頭に株式市場が34%急落してからは初めて2021年11月22日に黄色のシグナルとして現れました。

コマンドラインに「hindenburg」と入力し、オートコンプリートから「HIND – ヒンデンブルグ・オーメン・チャート」を選択します。クイック入力はHINDです。
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ヒンデンブルグ・オーメンからは、ニューヨーク証券取引所の上場銘柄が二極化しており、市場の調整局面が近づいていることが示唆されます。近年ではこの指標はあまり現れなくなってきました。しかし、2018年と2020年における黄色のシグナルは、相場の調整局面を予見したものであったことが分かります。

足元の相場が下落することの予兆となり得るテクニカル指標は、ヒンデンブルグ・オーメンだけではありません。エリオット波動では、相場は5つの上昇波(推進波)(下図で1~5と表示)によるトレンド推進局面と3つの下降波(修正波)(下図でA~Cと表示)によるトレンド修正局面で推移すると考えられています。結果的には、2021年11月初旬の反発は、ブルトラップと呼ばれる見せかけのブレークアウト(突き抜け)となりました。エリオット波動を数えられる画面では、2020年3月20日以降に5つの上昇波が見られ、現在(本記事執筆時)は最後となる第5波の渦中にいることが分かります。

コマンドラインに「gp rty weekly candles since 2016」と入力して、<GO>キーを押します。画面右上の[チャートを編集]ボタンをクリックし、アンバーのボックスに「elliott wave」と入力します。「EWAVE – エリオットウエーブ」を選択します。

一方、NYSE総合指数の上場株式銘柄のうち52週安値を更新している銘柄の比率は、前回の調整局面となった2020年3月以来見られなかった水準にあります。 小型株の騰落レシオは、大型株よりも極端になってきています。

ブルームバーグのチャート作成ツールや騰落レシオ・ツールを活用すると、株式市場のテクニカル指標を分析できます。

追跡

自然言語チャート作成機能を使用して、主要な指数にわたる52週安値を更新している銘柄の比率を確認できます。

コマンドラインに「gp daily price and new lows for nya spx rty since 2000」と入力して<GO>キーを押します。

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本稿は英文で発行された記事を翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

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